市場取引(マーケット)
本ページでは、短期金利と長期金利の関係についてまとめたい。 現時点の1年物の債券の金利をr1、現時点の2年物の債券の金利をr2、1年後における1年物の債券の金利(の予想値)をrf1とすると、以下の関係が成立すると考えられている。 もし、1年物の金利…
本ページでは、自社株買いがなぜ株主還元になるのかについてまとめたい。 自社株買いとは 自社株買いとは、企業が自ら自社の株を買うことを意味する。自社株買いは、配当政策と並んで株主還元の手法の一つとされる。なぜ、自分の株を買うことが株主還元につ…
英国のリズ・ トラス首相が10月20日に辞任を表明した。 英国のタブロイド紙「デイリー・スター」は10月14日、「 レタスの賞味期限を10日過ぎてもリズ・ トラスは首相でいられるか」と煽った。首相就任から実に45日で辞任という、 史上最短の在任期間であった…
企業経営の安定性や成長性を測る指標はいくつかあるが、本ページではこうした指標についてその概要をまとめたい。 ROE ROE(Return on Equity)は自己資本利益率のことであり、自己資本に対してどれだけの利益を生み出したのかを示す指標である。 ROEは、以…
本ページでは、最終指定親会社とは何かについて、金商法の条文を見ながら確認していきたい。 金商法上の規定 最終指定親会社についての規定は、金商法第五十七条の十二に定められている。 まず、「指定親会社」とは何か、から見ていこう。 第二款 指定親会社…
本ページでは、デリバティブ取引におけるカレントエクスポージャー(CE)とポテンシャルフューチャーエクスポージャー(PFE)の考え方についてまとめたい。 デリバティブの時価 そもそもデリバティブにおける時価とは、将来に発生するキャッシュフローを無リ…
オプションには「非線形リスク」があるというが、非線形なリスクとはいったいどのようなものなのだろうか。 ある金融商品の価格を変動させる要因をリスクファクターという。リスクファクターの変化に対して、商品価格が非線形に動くとき、これを非線形リスク…
テイラー展開の概要 テイラー展開とは、ある関数を2次式以上の多項式で近似することである。 微分は、ある関数を1次関数で近似すること(線形近似)であった。y=f(x)のx=aにおける線形近似は、x=a、y=f(a)を通り、傾きf'(a)の直線ということになる。いわゆ…
本ページでは、証券会社のビジネスモデルについてまとめたい。 証券会社のビジネスモデルは、教科書には以下の4つに大別される。 ①有価証券の発行の引き受け・売り出し(アンダーライティング業務) 企業や国などが新たに発行する有価証券を証券会社が買い取り…
本ページでは、リバースモーゲージとは何かについてまとめたい。 リバースモーゲージの概要 リバースモーゲージとは、一言でいえば、住宅を担保に金融機関から生活資金を借り入れることのできる仕組みである。資金を借り入れている間も自宅には住み続けるこ…
金融機関がトレーディングによってポジションを保有するとき、どの拠点にポジション計上(ブッキング)するか、という問題がある。 ブッキングの集約 グローバルな金融機関では、世界中の拠点において取引が行われているが、その取引が会計上どの拠点にブッキ…
本ページでは、カウンターパーティリスクの管理において、リスクをどのように削減したらよいか、その代表的な手法についてまとめたい。 カウンターパーティリスクとは 店頭デリバティブで取り扱うスワップ取引においては、取引相手が契約通りに支払いを行う…
本ページでは、仕組債の手数料についてまとめたい。仕組債とは、一言でいえば、債券にスワップやオプションなどのデリバティブの要素を加えたものである。 仕組債の代表的な商品である「EB債」について、以下のページで紹介しているので、仕組債のイメージを…
本ページでは、債券(ここでは割引債)のデュレーションとは何かについてまとめたい。 割引債と利付債 債券は割引債と利付債に大別される。額面金額から割り引かれた価格で発行され、期中は利子(クーポン)の支払いがなく、償還時に額面金額が支払われる債券で…
本ページでは、債券における「額面金額」とは何かについてまとめたい。 額面金額とは、一言でいえば、「債券が償還期限を迎えた時に受け取ることのできる金額」ということができる。 また、利付債(償還まで一定の期間ごとにクーポンが支払われる債券)の場合…
本ページでは、債券における利率(クーポン)と利回りの違いについてまとめたい。 投資家から見た利回りも、クーポンと混同されることが多いが、区別して考える必要がある。 利回りは、投資金額に対してどれほど収益をあげたか、を意味する。 それに対して利率…
本ページでは、経常収支と為替レートの関係についてまとめたい。 経常収支とは 経常収支とは、「貿易・サービス収支」、「第一次所得収支」、「第二次所得収支」の合計である。 貿易・サービス収支とは、貿易収支とサービス収支の合計で、実体取引による収支…
本ページでは、デリバティブ取引におけるネッティングとは何かについてまとめたい。 店頭(OTC)デリバティブ まずは、デリバティブ取引の中でも店頭デリバティブの説明から始めたい。店頭デリバティブとは、取引所を介さずに、取引の当事者同士が相対で行う…
本ページでは、クレジットデリバティブとは何か、そしてその代表例についてまとめたい。 クレジットデリバティブの概要 そもそもデリバティブは金融派生商品と呼ばれ、金利や通貨といった原資産をもとにしてスワップやオプションといった取引を行うものであ…
世界にはグローバルに活動する大規模な金融機関が存在する。例えば、ゴールドマンサックス、JPモルガン、BNPパリバなどが挙げられるだろう。こうした金融グループは、どのようなビジネスを通じて収益をあげているのだろうか。以下、その全体像をまとめたい。…
本ページでは、1990年代後半に日本で実施された金融制度改革である「金融ビックバン」の概要についてまとめたい。 「金融ビッグバン」の背景 日本の金融システムは伝統的に、間接金融つまり銀行が主体であったということができるだろう。 日本の高度経済成長…
本ページでは、EB債(Exchangeable Bond、他社株転換可能債)とは何かについてまとめたい。EB債とは、一言でいえば、債券にスワップやオプションなどのデリバティブの要素を加えた仕組債の一種であり、償還時に現金の形で戻ってくる場合と株式により戻ってくる…
本ページでは、ファーマ-フレンチの3ファクターモデルとは何かについてまとめたい。ファーマ-フレンチの3ファクターモデルとは、一言でいえば、ある資産のリターンを、マーケット全体(市場ポートフォリオ)のリスクプレミアム、時価総額、簿価時価比率の3…
日本において「貯蓄から投資」が叫ばれて久しい。かつての銀行中心の金融システムから、市場型の金融システムへの転換を図る目的で90年代後半から提唱されたスローガンであるが、具体的に「貯蓄から投資」を通じてどのようなことが期待されていたのか。 ○家…
本ページでは、誤方向リスク(Wrong Way Risk)とは何かについてまとめたい。誤方向リスクとは、一言でいえば、デリバティブ取引において、エクスポージャーの増大に伴って取引相手の信用力が悪化し(デフォルト確率の増大)、想定される損失が大きくなること…
金融とは読んで字のごとく「金を融通する」という意味である。当然、融通する人がいて、融通される人がいる。 融通の仕方は大きく分けて2通りあり、融通する人と融通される人の間に銀行がおり、銀行が融通先を決定する仕組みを「間接金融」、融通する人が市…
為替相場の決定要因は様々である。長期的には物価水準により決定されるが、短期的には通貨間の金利差が大きな影響を与える。具体的には、金利の高い通貨の需要が高まり、通貨高となる一方、相対的に需要が下がる通貨に関しては、通貨安となり、資金が流出す…
本ページでは、ジニーメイ(Ginnie Mae)、ファニーメイ(Fannie Mae)、フレディマック(Freddie Mac)とは何かについてまとめたい。一言でいえば、米国でMBSの投資家への元利金支払いを保証する政府系の機関であり、住宅ローン市場への資金供給の一翼を担う。 MB…
本ページでは、金融機関の外貨調達手段についてまとめたい。 外貨調達の必要性 日本の銀行、特に大手行は、国内だけでビジネスを完結させているわけではなく、海外に貸出を行ったり、海外の有価証券に投資することなどを通じても収益を得ている。その際、ド…
本ページでは、証拠金規制とは何かについてまとめたい。一言でいえば、店頭デリバティブ取引において証拠金の授受を求めるものである。 以下、証拠金規制そのものについて議論する前に、まずこの規制が導入される背景についてから記述したい。 店頭デリバテ…