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金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

日本の法律

外国税額控除について分かりやすく

本ページでは、法人税における外国税額控除の概要と、関連する制度についてまとめたい。 全世界所得課税主義 まず、日本の法人税は全世界所得課税主義の考え方をとっている。国内でビジネスをしても国外でビジネスをしても、同じ税率が日本で課されるという…

ソーシャルレンディングにおいて存在した匿名化と情報開示の問題

投資家から集めた資金をファンドを通じて企業等に貸し付ける「ソーシャルレンディング」を行う業者は、第二種金融商品取引業と貸金業の登録が基本的に求められる。このうち「貸金業」について、ソーシャルレンディング特有の論点がある。それは、「投資家が…

外国子会社配当益金不算入について分かりやすく

本ページでは、外国子会社配当益金不参入制度についてまとめたい。この制度は、海外と国内で二重に課税が発生するのを防ぐものとなっている。 漢字が多くて分かりづらいが、言葉を補って書き直すと「外国子会社(からの)配当(を国内本社の)益金(には)不参入(…

CFC税制(タックスヘイブン対策税制)とは何か

CFC(Controlled Foreign Company)税制とは、外国子会社等を利用した租税回避を防止するために、一定の条件を満たす外国子会社の所得を日本の親会社の所得とみなし、日本で課税する制度である。タックスヘイブン対策税制又は外国子会社合算税制ともいう。 …

パススルーとペイスルー-二重課税の回避-

本ページでは、ファンドへの課税における「パススルー」と「ペイスルー」の概念の違いについてまとめたい。どちらも、法人税と所得税の「二重課税」を防ぐしくみであり、「導管性」を持つという言い方をされる。 二重課税について 器(ビークル)であるファ…

改正貸金業法の概要と問題意識について

本ページでは、改正貸金業法の概要についてまとめたい。 貸金業法改正の背景 改正貸金業法は、2006年に成立した。当時の日本においては、「多重債務問題」が社会問題化していた。 2003年、全国の個人の自己破産申立件数は24万件を超え、これは1990年の1万127…

銀行には貸金業法は適用されない?

貸金業法は、金銭の貸付を営む業者に対する規制を定める法律である。貸金業法に定める「貸金業者」は、主に消費者金融やクレジットカード会社等を想定したものとなっている。 ここで、「お金を誰かに貸し付ける業者」として本来最も代表的なものは、銀行であ…

クレジットカード会社は貸金業法と割賦販売法の規制を受ける

銀行や証券会社の他にも、金融サービスを提供する様々な業者がある。「クレジットカード」もその一つであり、日常生活において非常に身近なものとなっている。このクレジットカード業務を営む会社は、いかなる規制を受けるのか。本ページでは、クレジットカ…

ソーシャルレンディングにおける業登録について

ソーシャルレンディング業界における行政処分の事例が相次いでいる。2021年5月には融資先の実態を正しく把握していなかったとして、「SBIソーシャルレンディング」に対し金融庁が業務停止命令を出すこととなった。 金融庁は、ソーシャルレンディングに関し投…

投資銀行業務(IB)の法律上の位置づけとは?

投資銀行業務(IB)は、企業のM&Aや、株式や社債発行を通じた資金調達のサポート・アドバイスを行う業務であり、昨今の就活性から大人気の花形部門である。 しかし、「投資”銀行”業務」と名前がついていながら実際は証券会社が行っていたり(野村證券やゴー…

適合性の原則と善管注意義務の違いについて

本ページでは、金商法における適合性の原則と善管注意義務についてまとめたい。どちらも一見すると、「顧客のことを考えて業務を行ってね」という、至極当たり前のことを言っているように感じられるが、両者にはどのような違いがあるのか。 適合性の原則 適…

銀行の主な「業務範囲規制」とその目的について

本ページでは、銀行に課せらている主な「業務範囲規制」の内容と、そうした規制を課すことの目的・意義についてまとめたい。 銀行の「業務範囲規制」 銀行は、その業務範囲について厳しい規制が課されている(業務範囲規制)。具体的には、 銀行の業務範囲は…

「ワンウェイ規制」とは何か

本ページでは、銀行の「ワンウェイ規制」とは何かについてまとめたい。一言でいえば、銀行が他業種に参入することは厳しく禁じられている一方、他業種の企業が銀行業に参入することは可能であるという、非対称な規制の実態を指す。 まずは、そもそも銀行の業…

空売り規制の概要について

本日は、空売りに対する規制の全体像についてまとめたい。 空売りの概要については、以下のページを参照されたい。 空売りとは何か - 金融アトラス 空売りに関する規制は、金融商品取引法の施行令にて具体的に規定されている。 主な規制の内容は以下の通りで…

投資信託とフィデューシャリー・デューティー(金商法との対応)

本ページでは、投資信託を取り扱う業者(資産運用会社、販売会社)が顧客に対してどのような義務を負うのかについて、いわゆる「フィデューシャリー・デューティー」や、既存の法令(金商法等)との対応の観点から整理したい。 金融機関の「フィデューシャリ…

ファンドの法的な類型と金商法上の取扱いについて

本ページでは、いわゆる「ファンド」の法的な類型と、金商法上の取扱いについてまとめたい。ファンドは言わば投資を行うための「器」である。この「器」にどのような種類があるのか、がこのページの主眼である。 1.ファンドの類型 いわゆる「ファンド」と…

投資運用業の類型

本ページでは、投資運用業の類型についてまとめたい。 基本的に、資産運用業を行う業者は、金商法上の「投資運用業」に登録する必要がある。具体的には、以下の4つに整理される。それぞれの類型では主な用途が異なり、また、使用される「器」(ファンド)の…

適格機関投資家、特定投資家、適格投資家の違い

本ページでは、金商法に定める適格機関投資家、特定投資家、適格投資家の違いについてまとめたい。 基本的には、金融庁の以下のページからの抜粋で、必要に応じて表現を平易に書き直している。 参考:金融庁「投資運用業等登録手続きガイドブック(参考1)…

適格投資家向け投資運用業(プロ向け投資運用業)と適格機関投資家等特例業務(プロ向けファンド)の違い

本ページでは、金商法上の適格投資家向け投資運用業(プロ向け投資運用業)と適格機関投資家等特例業務(プロ向けファンド)の違いについてまとめたい。どちらも資産運用業者向けの特例措置のようなものだが、両者の違いが紛らわしい。 まず前提知識として、…

ヘッジファンドの金商法上の業登録について

本ページでは、ヘッジファンドが金商法上どのように整理されるのかについてまとめたい。 まず前提知識として、資産運用を行う業者は、「投資運用業」か「投資助言・代理業」のいずれかに分類される。簡単に言えば、前者においては実際に顧客の財産を預かり、…