<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

経済-マクロ経済学

オイラー方程式について

本ページでは、マクロ経済学で登場する消費に関するオイラー方程式についてまとめたい。家計の消費行動を考える際、異時点間の消費の決定に関する理論となる。 オイラー方程式 以下、2期間(1期、2期)のモデルを考える。 家計は消費(C)によって効用を…

財政政策の効果について(乗数効果、クラウディング・アウト)

本ページでは、財政政策の効果についてまとめたい。 ここでは、以下のIS-LM分析を前提とするので、こちらも併せて参照されたい。 hongoh.hatenablog.com 乗数効果 まず、財市場の均衡条件は以下のように表せる。 Y = A+c(Y-T)+I(r)+G Aは基礎的消費、cは…

AD-AS曲線について

本ページでは、AD(総需要)‐AS(総供給)曲線の導出についてまとめたい。 AD‐AS曲線は、横軸の生産量と、縦軸の価格水準との関係を見たものである。そして、価格が硬直的な短期の経済を前提としている。 総需要曲線 まず、総需要曲線の導出から考える。総需…

国際収支統計と資本流出・資本流入の考え方

本ページでは、国際収支(Balance of Payments)の統計について概要をまとめたい。 経常収支 経常収支(Current account)=貿易収支(Goods)+サービス収支(Service)+第一次所得収支(Primary income)+第二次所得収支(Secondary income) となる。それぞれの定義…

ラムゼイモデルについてメモ

ラムゼイモデルについて。 数式を全く記述していないので、正確な情報は参考書等の文献を参照。 ソローモデルでは貯蓄率が外生変数であり、家計の最適化行動を反映していなかった。ラムゼイモデルは、この欠点を克服し、家計の効用最大化問題と企業の利潤最…

ソローモデルについて

ソローモデルについて。本ページでは数式を載せていないので、厳密な数式展開については各種テキストを参照されたい。 ソローモデルは経済成長を分析するツールとして用いられる。そのための準備として、資本ストックの変化と、労働・資本を生産要素とする生…

労働市場の均衡について

本ページでは、労働市場の均衡についてまとめたい。 均衡点における雇用量(横軸)と実質賃金(縦軸)は、右上がりの労働供給曲線と、右下がりの労働需要曲線の交点で決定される。 労働供給 家計の効用最大化問題により労働供給曲線は導出される。 家計は、…

動学的不整合性について

金融政策における動学的不整合性について。 中央銀行が直面するトレードオフ 中央銀行の金融政策の目的として、物価の安定や、景気対策(失業率上昇の防止)等が挙げられる。そして、物価の安定を左右するインフレ率と、失業率の間には、負の相関関係がしば…

古典派の二分法とケインズ派

本ページでは、古典派経済学とケインズ派経済学の考え方の違いについてまとめたい。 古典派 古典派の経済学では、財の価格や賃金は伸縮的に変化し、需要と供給が均衡するように実物変数の水準が決まっていくと考える。また、価格が伸縮的に変化する状況では…

IS-LM分析について

本ページではIS-LM分析の基本的な考え方についてまとめたい。 短期と長期 マクロ経済分析にあたっては、短期と長期を区別する必要がある。短期においては市場メカニズムが働かない場合がある状況、具体的には価格が硬直的である状況を想定している。さらに、…

コストプッシュインフレ下の利上げについて

2022年、世界各国でインフレが深刻な状況となっている。 このインフレの原因、そして各国のとり得る政策やその効果などについて考えてみたい。 インフレの要因 インフレが起こる要因は需要要因と供給要因に大別される。前者は、経済活動が活発化し、人々の需…

GDPは需要で決まる?供給で決まる?ーケインズ経済学ー

19世紀に現在の経済学の基礎が形作られる(いわゆる古典派、新古典派経済学)が、20世紀に新たな視点を導入したのがケインズであった。 『雇用・利子・貨幣の一般理論』の刊行直後にケインズ自らが書いた要約には、このようなことが書かれている。 リカ…

ISバランスとは何か

本ページでは、ISバランスとは何かについてまとめたい。 ISバランスとは、一言でいえば、経済全体で見た貯蓄と投資のバランスのことである。 三面等価の原則 ISバランスを理解するためには、まずGDPの「 三面等価の原則」を知る必要がある。三面等価の法則と…

市場はどこまで完全か?ーマネタリスト、ニューケインジアンー

20世紀前半、ケインズは財・サービスに対する需要、つまり「有効需要」を喚起することこそが、一国の総生産量を増やしたり、失業対策を行う上で有効だと考えた。いわゆる「ケインズ派」と呼ばれる経済理論である。 ケインズ主義的政策は、1960年代までの欧…

資産バブルと金融危機の関係ー北欧の事例ー

日本ではバブル崩壊から7年ほどのタイムラグの後、不良債権の表面化等により金融機関が破綻するなど、危機が表面化した。一方、日本とほぼ同時期に、北欧においても金融危機が生じた。もちろん、規模等が異なるため 正確に比べることは困難だか…