<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

経済-ミクロ経済学

保険における逆選択の問題について

本ページでは、保険における逆選択の問題についてまとめたい。 保険会社と加入者の間には情報の非対称性が存在する。とりわけ、加入者に隠された特性(情報)がある場合には、逆選択の問題が生じるとされる。では、逆選択とはどのような問題なのだろうか。 保…

保険におけるモラルハザードについて

本ページでは、保険におけるモラルハザードの問題についてまとめたい。 保険会社と加入者の間には情報の非対称性が存在する。とりわけ、加入者に隠された行動がある場合には、モラルハザードの問題が生じるとされる。では、モラルハザードとはどのような問題…

需要法則(価格が上がると需要は下がる)は常に正しいか

需要法則とは、価格と需要に逆相関がある、つまり需要曲線が右下がりになるというものである。この需要法則は常に成り立つのだろうか。 このことについて検証するために、ある財(財1)の価格が上昇した時の財の消費量の変化を、以下のように分解してみる。 価…

端点解について

2つの財の消費量を決定する個人を考える。このとき、どちらかの財の消費量が0となる場合(つまり予算制約線の端、x軸またはy軸上の点)が最適解となる場合がある。こうした解を端点解という。 通常は2つの財の価格比が限界代替率と等しくなる点が最適解とな…

供給曲線が限界費用曲線と等しくなるのはなぜか

本ページでは、供給曲線がなぜ限界費用曲線と等しくなるのかについてまとめたい。 以下、完全競争市場で、価格が所与の場合を想定している。そして、x軸が生産量、y軸が価格の曲線を考える。 企業は財の供給により発生する利潤が最大化するよう、生産量を…

生産要素間の代替の弾力性について

生産要素間の代替の弾力性について。以下では、労働(L)と資本(K)の2つの生産要素を用いて生産活動を行う企業を考える。 技術的限界代替率 代替の弾力性の話に入る前に、技術的限界代替率について簡単におさらいしたい。技術的限界代替率とは、片方の生…

企業の費用曲線について

企業の費用曲線と、企業の生産行動についてまとめたい。 まず、大きく分けて費用には以下の4種類がある。 総費用C(Q) 可変費用VC(Q) 埋没固定費用SFC 非埋没固定費用NSFC 埋没費用(サンクコスト)とは、絶対に支払う必要のある、回収不可能な費用のことで…

補償変分と等価変分について

本ページでは、補償変分(CV, compensating variation)、等価変分(EV,equivalent variation)についてまとめたい。 前提として、消費者が財を消費するとき、たくさん財を消費する方が効用は大きくなる。そして、予算制約の中で効用が最大になるように財の消費…

税の帰着について―価格弾力性との関係―

本ページでは、いわゆる「税の帰着」についてまとめたい。 ある商品に対して課税した際、その負担は消費者と生産者にどの程度帰着されるのだろうか。 課税後に消費者が払う価格をP_d、生産者が商品を販売する価格をP_s、課税額をtとすると、 という関係があ…

パレート効率的とはどういう状態か

本ページでは、パレート効率的とはどのような状態をいうのかについてまとめたい。 資源配分の効率性についての言葉であるが、一言でいえば「他のどの人の効用も下げることなく、誰かの効用を上げることができない資源配分の状態」ということができる。逆に、…

価格弾力性とは何かについて平たく説明

本ページでは、価格弾力性とは何かについてまとめたい。ここではとりわけ、需要の価格弾力性について取り上げる。 基本的に、価格が上昇すると財の需要は減少する。それでは、価格が1%上昇した時に、需要は何%変化するのか。需要の価格弾力性とはこれを表…

需要と供給の均衡についての考え方

需要と供給の均衡は、大学の経済学で一番最初に習う事項だろう。右下がりの需要曲線と右上がりの供給曲線の均衡点で価格が決定される。 初歩的な経済学のテキストでは、需要曲線、供給曲線ともに直線(一次関数)であり、連立一次方程式を解くことで容易に均…

なぜ限界代替率は限界効用の比と等しくなるのか

2つの財(財A、財B)の選択を考えるとき、限界代替率は限界効用の比と等しくなる。 限界代替率とは、「財Aを1単位増やした時、同じ効用水準を維持するために、財Bを何単位あきらめなければならないか」を示している。消費量をXとすると、△X_B/△X_A の絶対値…

所得効果と代替効果について

ある財の価格が変化すると、その財への需要は変化する。予算制約が変化し、効用を最大化するための条件が変わることに伴い、最適な財の消費量が変化するためだ。この変化について、代替効果と所得効果に分解することができる。 2つの財を消費する個人の消費…

価格はどのようにして決定される?ー19世紀の経済論争ー

価格はどのようにして決定されるのか―あまりに身近なモノの「価格」という存在であるが、その決定メカニズムについては、様々な考え方がある。 現在の経済学の基礎は19世紀に形作られるが、このとき価格が何によって決まるかについて二つの見方があり、対立…