<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

経済-経済数学

ベクトルの内積について

ベクトルの内積について。 ベクトルの内積は、以下のように定義される。 「0でない2つのベクトルaとbのなす角がθのとき、|a||b|cosθをaとbの内積といい、a・bで表す。」 |a|はベクトルaの大きさである。aがn次元の空間に存在するとき、aの大きさはn個の成分…

伊藤の公式を用いて資産価格が対数正規分布に従うことを示す

本ページでは、伊藤の公式を用いて資産価格の水準が対数正規分布に従うことを示す。 ブラウン運動の定義 まず、伊藤の公式を用いる前に、ブラウン運動について定義する。 W=W(t)がブラウン運動であるとは、以下の2つを満たすことである。 (1)W_0=0であり…

分散共分散行列と現代ポートフォリオ理論

本ページでは、現代ポートフォリオ理論において計算するポートフォリオ全体の収益率の分散を、分散共分散行列を用いて表現する方法についてまとめたい。(理論の概要についてはここでは触れないので、他の参考書等を参照。) 分散共分散行列とは、ベクトルの…

行列の固有値と固有ベクトル、対角化について

本ページでは、行列の固有値と固有ベクトル、対角化についてまとめたい。 固有値と固有ベクトル vをベクトル、Aを行列、λをスカラーとすると、正方行列Aについて、 Av=λv となるようなvが存在する時、vをAの固有ベクトル、λをAの固有値という。 このとき、A…

行列の基本的な計算について

本ページでは、行列の基本的な計算についてまとめたい。具体的には、行列の積、単位行列、逆行列、転置について取り扱う。 行列の積 行列の積は以下のように計算できる。 ある行列の行(横)の本数をa、列(縦)の本数をbとして、行列の型を(a,b)で表すとす…

行列演算を用いた連立方程式の解き方について

本ページでは、行列演算を用いた連立方程式の解き方についてまとめたい。 行列を用いた連立方程式の表現 以下の連立方程式を考える。 2x+y+z=3 x+3y-z=-4 -x+2z=3 この連立方程式を行列で表現すると以下のようになる。 ここで、 を係数行列、 を拡大係数行列…

最小二乗推定量を行列で表現してみる

本ページでは、最小二乗推定量を行列とベクトルを用いて表現する方法についてまとめたい。具体的には、回帰式 の推定量を行列とベクトルを用いて表現してみる。 行列のおさらい まず、本題に入る前に、行列のおさらいを簡単に行う。 行列の積 行列の積は以下…

増加率と対数差分の近似について

本ページでは、増加率と対数差分の近似についてまとめたい。以下の近似関係は、経済・統計分析において頻出する考え方となる。以下、lnは自然対数を示す。 lnX1 - lnX0 ≈ (X1-X0)/X0 この関係は、一言でいえば対数差分が増加率と近似的に等しくなる、という…

金融におけるテイラー展開―非線形な価格の動きを捉える―

テイラー展開の概要 テイラー展開とは、ある関数を2次式以上の多項式で近似することである。 微分は、ある関数を1次関数で近似すること(線形近似)であった。y=f(x)のx=aにおける線形近似は、x=a、y=f(a)を通り、傾きf'(a)の直線ということになる。いわゆ…