<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

銀行-リスク管理

ストレステストとは何か

金融の分野における「ストレステスト」は、様々な目的・手法・範囲を含んでおり、一概に画一的な説明が困難である。さらに、民間の金融機関が行うのか、中央銀行などの当局が行うのかによっても大きく内容は異なってくる。 しかし、あえて強引に一般化すれば…

LGD(デフォルト時損失率)とは何か

本ページでは、デフォルト時損失率 (LGD: Loss Given Default)についてまとめたい。LGDは、信用リスク推定のために使用する指標である。 信用リスクとLGD まず、銀行による貸出について考えてみる。銀行の場合は、企業や個人を信用した結果、お金を貸すので…

カウンターパーティリスクの削減方法について

本ページでは、カウンターパーティリスクの管理において、リスクをどのように削減したらよいか、その代表的な手法についてまとめたい。 カウンターパーティリスクとは 店頭デリバティブで取り扱うスワップ取引においては、取引相手が契約通りに支払いを行う…

「ルックスルー」とは何か

本ページでは、ファンドにおける「ルックスルー」とは何かについてまとめたい。 ファンドは、投資家から資金を募り、さまざまな資産に投資する金融商品である。例えば日経225に含まれる銘柄に投資するファンドなどがイメージしやすいだろう。 「ルックスルー…

オペレーショナルレジリエンスとは何か

本ページでは、オペレーショナルレジリエンスとは何かについてまとめたい。バーゼル銀行監督委員会は、2021年3月、「オペレーショナル・レジリエンスのための諸原則」を公表した。これは、銀行に対してオペレーショナルレジリエンスの確保のために求める原…

誤方向リスク(Wrong Way Risk)とは何か

本ページでは、誤方向リスク(Wrong Way Risk)とは何かについてまとめたい。誤方向リスクとは、一言でいえば、デリバティブ取引において、エクスポージャーの増大に伴って取引相手の信用力が悪化し(デフォルト確率の増大)、想定される損失が大きくなること…

信用リスク削減手法とは何か

本ページでは、バーゼル規制における信用リスク削減手法とは何か、その概要についてまとめたい。詳細は金融庁の告示文書や、以下に示す参考文献等を参考にされたい。 一言でいえば、自己資本比率規制における信用リスクアセット額の算出に当たり、担保等があ…

金融リスク管理における「三つの防衛線」とは何か

金融機関におけるリスク管理について、「三つの防衛線」という言葉がある。金融機関における内部統制の在り方を示したものであり、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)での文書でも明文化されているが、この「三つの防衛線」の考え方についてまとめたい。 金融機関…

日本でバブル崩壊から金融危機まで数年のタイムラグが生じた理由について考察してみる

1980年代後半、日本では「バブル景気」と呼ばれる好景気が起こり、資産価格や株価が上昇、1989年から92年まで日本は国際経営開発研究所(IMD)の発表する国際競争力ランキングで世界1位だった。この頃日本経済はまさに絶頂期にあった。しかしこの好景気は長…

IRRBBとは何か

本ページでは、IRRBB(Interest Rate Risk in the Banking Book)とは何かについて、概要をまとめたい。一言でいえば、「銀行勘定の金利リスク」ということになる。バーゼルⅢでは、この銀行勘定の金利リスクに関する規制を定めている。 銀行勘定の金利リスクと…

市場リスクにおけるVaRの計測方法について

本ページでは、市場リスクにおけるVaRの計測方法についてまとめたい。 VaRとは、一言でいえば、将来起こり得る最大損失額の推計値のことである。 VaRについての基本的な説明は、以下のページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com ①分散共分散法 リスクフ…

信用リスクにおけるVaRの計測方法について

本ページでは、信用リスクにおけるVaRの計測方法についてまとめたい。 VaRとは、一言でいえば、「過去のデータをもとに、ある一定の確率の範囲内で、将来のある一定期間のうちに起こり得る最大損失額の推計値」ということができる。今回は、信用リスクの顕在…

信用リスクの計測方法について

本ページでは、信用リスクの計測方法の基本的な考え方についてまとめたい。 「そもそも信用リスクとは何か」については、以下のページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com 信用リスクの定量化 銀行は、たくさんの企業に貸出(信用供与)することで収益を得…

VaR(バリューアットリスク)とは?その基本的な考え方について

本ページでは、VaR(Value at Risk、バリューアットリスク)とは何かについてまとめたい。VaRは、金融機関のリスク管理において、リスク量を計測する手法である。 VaRの基本的考え方 金融機関は、貸出や株式投資など、資産を様々な形式で運用することにより収…

資産バブルと金融危機の関係ー北欧の事例ー

日本ではバブル崩壊から7年ほどのタイムラグの後、不良債権の表面化等により金融機関が破綻するなど、危機が表面化した。一方、日本とほぼ同時期に、北欧においても金融危機が生じた。もちろん、規模等が異なるため 正確に比べることは困難だか…

信用保証とは何かについて分かりやすく

本ページでは、信用保証とは何かについてまとめたい。一言でいえば、中小企業が金融機関から融資を受ける際、返済が仮に難しくなったとしても、保証人が代わりに返済する仕組みである。信用保証協会法に基づき各都道府県に設置された公的な機関である「信用…

日本における1997年の金融危機について―個別事例の検証―

本ページでは、97年の日本の金融危機についてまとめたい。この時期、日本では多くの金融機関が破綻に追い込まれた。 三洋証券 証券業界の準大手であった三洋証券は、バブル期の積極的な経営(繰り返しの合併など)で成長を遂げた。しかしこれは、過剰な設備…

金融機関破綻の原因について考えてみる

本ページでは、金融機関がどのような原因で破綻するのかについて考えたい。とりわけ、90年代の日本における金融危機について着目してみる。 ここでは、預金保険機構の『預金保険研究』(2005年)にある「金融機関破綻に関する定量分析」の分析結果を読み解…

みずほ銀行システム問題に見る銀行業界における市場原理の問題

日本の三大メガバンクの一つに数えられるみずほ銀行において、2021年、ATMが使えなくなるなどのシステム障害が相次いでいる。 通常の産業では、市場原理により企業間で新陳代謝が起こるが、金融業界、特に銀行業においてはそれが難しい。まず、厳しい参入規…

信用リスクとは何か

本ページでは、信用リスクとは何かについてまとめたい。一言でいえば、信用供与先の支払いが滞るリスクということができる。 「信用リスク」「信用供与」といった言葉は金融業界で頻繁に使われ、「信用を供与すること、そしてそれに伴うリスク」と説明される…

銀行における金利リスクについて

本ページでは、銀行において「金利」がどのようなリスクを孕むのかについてまとめたい。 まず、銀行の業務は、貸出や預金を中心とした取引に関する銀行勘定と、短期的な売買益を確保するために行う有価証券などの取引に関するトレーディング勘定に大別される…

安定調達比率とは何か

本ページでは、バーゼル規制における安定調達比率とは何かについてまとめたい。 流動性リスクの顕在化により、銀行の健全性が損なわれると、金融システム全体、ひいては実体経済にまで影響を及ぼしかねない。そこで、バーゼルⅢでは、流動性確保のために、流…

流動性カバレッジ比率とは何か

本ページでは、バーゼル規制における流動性カバレッジ比率とは何かについてまとめたい。 流動性リスクの顕在化により、銀行の健全性が損なわれると、金融システム全体、ひいては実体経済にまで影響を及ぼしかねない。そこで、バーゼルⅢでは、流動性確保のた…

銀行の流動性リスクについて

本ページでは、銀行の流動性リスクについてまとめたい。 ある資産の流動性があるとは、市場で十分な取引量がある等の理由により、「資産を市場から調達しやすい」あるいは「資産を売却して換金しやすい」といったことを意味する。 銀行における流動性リスク …