ROE、ROA、PBR、PER、EPS、BPS…各種財務指標について
企業経営の安定性や成長性を測る指標はいくつかあるが、本ページではこうした指標についてその概要をまとめたい。
ROE
ROE(Return on Equity)は自己資本利益率のことであり、自己資本に対してどれだけの利益を生み出したのかを示す指標である。
ROEは、以下の式で求められる。
ROA
ROA(Return on Assets)はROEと似た概念ではあるが、分母は自己資本よりも広い総資産を用いる。ROAは以下の式で表される。
ROEとROAはどちらも「経営効率」を表している点は共通しているが、ROEは自己資本に対する利益の大きさ、ROAは総資産に対する利益の大きさを表している。一般に、ROEは10%以上、ROAは5%以上が経営効率の良さを示す上で一つの目安とされている。
PBR
PBR(Price Book-value Ratio)は、日本語で「株価純資産倍率」という。株価と企業の純資産の比率を示している。
PBRは以下の式で表される。
PBR=時価総額÷純資産
または
PBR=株価÷一株当たり純資産
ここで、純資産とは要するに会社がビジネスを辞めて資産を売却する際に株主に分配される資産である。そのため、PBRが1であればこの解散価値と株価が同じ水準ということになり、それよりもPBRが低ければ、株価は割安と判断される。
PER
PER(Price Earnings Ratio)は「株価収益率」のことである。株価と企業の純利益の比率を表しており、こちらもPERが低いほど株価は割安とみなされる。PERは以下の式で表される。
PER=時価総額÷当期純利益
または
PER=株価÷一株当たり当期純利益
PERの目安は15倍とされている。
PERは、「企業を買収したとき、その企業の収益によって買収額を回収するために要する年数」と考えることができる。なぜなら、時価総額(買収に要する額)を当期の純利益で割っているからである。PERが15倍の企業であれば買収額は15年で回収、という具合である。
PBRとPERはよく似ていて、分母が純資産か純利益か、という違いのみである。
EPS
EPS(Earnings Per Share)は一株あたりの利益を意味する。
EPS=当期純利益÷期末の発行済み株式数
EPSは、PERの分母(分子を株価とした場合)に他ならない。
BPS
BPS(Book-value Per Share)は一株あたりの純資産を意味する。BPSは以下の式で表される。
BPS=純資産÷発行済みの株式数
BPSは、PBRの分母(分子を株価とした場合)に他ならない。