本ページでは、CAPM(Capital Asset Pricing Model)とは何かについてまとめたい。CAPMとは、一言でいえば、ある資産の期待収益率と市場ポートフォリオの収益率の関係について記したモデルである。
CAPMの式
CAPMは以下の式で表される。
E(Ri) = Rf+ [E(Rm) − Rf]βi
E(Ri)・・・資産iの期待収益率
E(Rm)・・・市場ポートフォリオの期待収益率
Rf・・・リスクフリーレート(安全資産の収益率)
ここで、βは、
βi =市場ポートフォリオの収益率と資産iの収益率の共分散/市場ポートフォリオの収益率の分散
で表される。
市場ポートフォリオとは、市場全体への投資ということができる。一般に、複数の資産を分散させて投資することで、リスクを抑えつつリターンをあげることができる。市場全体への投資が、最も分散効果を発揮した投資である。しかし、市場全体への分散投資によっても削減できないリスクは存在し、これが「市場リスク」あるいは「システマティックリスク」と呼ばれる。この市場リスクは、安全資産の収益率と市場ポートフォリオの差(リスクプレミアム)と言う形で現れる。これは、式の中の[E(Rm) − Rf]に相当する。
ある資産の収益率は、市場ポートフォリオのリスクプレミアムと線形(一次関数)の関係にあるというのが、CAPMの主張である。
βの意味
そして、ある資産の期待収益率が、市場ポートフォリオの期待収益率と比べてどの程度であるかを測る指標がβである。
例えば、βが高ければ高いほど、市場ポートフォリオの期待収益率よりもその資産の期待収益率が高くなる一方、リスクも大きくなる。
(参考):
福田慎一(2013)「金融論 市場と経済政策の有効性」有斐閣