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個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

自己資本比率規制(バーゼル規制)における調整項目について

本ページでは、バーゼル規制の自己資本比率における調整項目の基本的な考え方についてまとめたい。

 

自己資本比率規制は、リスクアセット(分母)に占める自己資本(分子)の割合を一定以上求める規制であるが、調整項目とは、分子の自己資本から一定の額を控除することを定めたものである。

 

それでは、どのようにして資本から控除する額を決定するか。一つは、「損失吸収力の乏しい資産」の保有額を、自己資本の額から差し引くという取り決めがある。

 

「損失吸収力の乏しい資産」には、例えば無形固定資産(ソフトウェアなど)や、のれん(企業の取得価額と時価の正の差額)などがある。こうした無形の資産は、銀行が損失を被ったときに売却することで損失を吸収する、といったことが難しい。そこで、これらの資産の保有額を、自己資本として算定される額から控除する、というのが、調整項目の基本的な考え方となる。

 

その他、損失吸収力が乏しい資産として、繰延税金資産の額や、繰越ヘッジ損益の額などが含まれている。

 

これ以外にも、金融機関同士の意図的な株式持ち合いも調整項目の対象となっており、これはダブルギアリング規制と呼ばれる。ダブルギアリング規制については以下のページを参照されたい。

hongoh.hatenablog.com