本ページでは、デュアルカレンシー債とは何かについてまとめたい。デュアルカレンシー債とは、一言でいえば、キャッシュフローの中で、受け取りが二つの異なる通貨によって行われる債券である。
債券のキャッシュフローについて
まず、債券の取引においてどのようなキャッシュフローが生まれるのかについて考える。債券の購入者は、元本を取引相手に支払う。そして、定められた償還期限が来るまで、定期的に利息(クーポン)を受け取る。そして、償還時には元本を変換してもらう。購入者が受け取るのは期中のクーポンと償還時の元本である。
デュアルカレンシー債
この2つの受け取りのうち、利息の受け取りを円建てとし、元本の返還を外貨建てで行うのがデュアルカレンシー債である。国内の投資家にとっては、外債の運用成果は最終的に円建てで受け取る。そのため、外貨建てのままだと為替レートの影響を受けることから、為替レートによる変動を除去する効果がデュアルカレンシー債にはある。
リバース・デュアルカレンシー債
デュアルカレンシー債とは反対に、利息収入の方を外債で、元本の変換を円建てで行うものをリバース・デュアルカレンシー債という。投資家から元本確保を求めるニーズが一定程度あることを踏まえて開発された。
デュアルカレンシー債の仕組み
こうしたデュアルカレンシー債のような異なる二つの通貨によるキャッシュフローを可能にするのは、いわゆる通貨スワップと呼ばれるデリバティブ取引である。通貨スワップについては、以下のページを参考にされたい。
(参考):
柴崎百合子 山田雅章(2004)「解説 パワー・リバース・デュアル・ カレンシー債の数理(1)~ 商品の特徴とリスク ~」