企業が新たな事業を行うには、そのための資金を調達する必要がある。本ページでは企業の資金調達方法にはどのようなものがあるかについてまとめたい。
内部調達と外部調達
大きく分けて企業の資金調達方法には内部調達と外部調達の2通りある。
内部調達は、企業内にある資金を活用することである。対して外部調達は、借入や増資等により、企業外の主体から資金を調達することである。
内部調達
内部調達には以下の2つがある。
内部留保
企業内に蓄積した利益等を内部留保という。企業にとっては、一番自由に使えるお金であるといえる。
減価償却
減価償却とは、設備投資を行ったときに発生した費用を、複数年度に分けて費用に計上することである。例えば1億円の設備投資を行った際、この1億円を一度に費用計上すると、決算上その年が大赤字となってしまい、実態を正しく反映した決算であるとはいえない。そこで、例えばその設備の耐用年数が20年であるとすると、20年かけて1億円を費用計上していく、という考え方である。
ここで、なぜこの「会計上の費用計上の考え方」である減価償却が資金調達と関係あるのだろうか。それは、減価償却費が「資金流出を伴わない支出」であるからだ。
例えば1億円設備投資を行った5年後、減価償却費として1億÷20の500万円を計上したとする。しかし、実際にはこの500万円はこの年に企業の外に流出したものではない。そのため、費用計上した500万円は、企業が自由に使えるお金となる。
こうして、減価償却費が企業にとって、「内部調達」の一つとなりえるのである。
外部調達
内部調達に対して、他の主体から資金調達を行うことを外部調達という。
借入
銀行などからの借入は、外部調達の代表的な方法である。
社債
社債を発行することによって市場の参加者から資金を集める。社債は後述する株式とは違い、返済義務のある「負債」である。
増資
株式を新規に発行することで投資家から資金を集める。株式は返済する必要のない「資本」である。
日本企業の資金調達動向
日本企業は、ここ数十年の傾向として、内部調達が主流となっており、借入・社債・増資等の外部調達は相対的に少ない。日本企業が「金余り」であると言われるゆえんである。
財務省の「法人企業統計」より、日本企業の資金調達の傾向は確認できる。
(参考):