本ページでは、ジニーメイ(Ginnie Mae)、ファニーメイ(Fannie Mae)、フレディマック(Freddie Mac)とは何かについてまとめたい。一言でいえば、米国でMBSの投資家への元利金支払いを保証する政府系の機関であり、住宅ローン市場への資金供給の一翼を担う。
MBSとは
まず、これらの機関が保証の対象とするMBSとは何かについて説明する。MBSは、Mortgage Backed Loanの略で、「不動産担保証券」と呼ばれる。不動産ローンを証券化した商品のことである。
証券化とは何か、そして証券化商品の分類については、それぞれ以下のページを参照されたい。
ジニーメイ
ジニーメイは、米国の住宅都市開発省の下に設置された政府機関である。証券化商品であるMBSを購入する投資家は、MBSからの元利金の支払いを受けるが、元利金の支払いが遅延した際に、この支払いをジニーメイが保証する形となっている。
以下に示すファニーメイやフレディマックと違い、「政府機関」であることが重要で、ジニーメイによって保証を受けたMBSは「政府保証」を受けたことになる。こうしたMBSを「ジニーメイ債」と言うこともある。
ファニーメイ、フレディーマック
これらは株式会社であるものの、政府支援機関(GSE, Government Sponsored Enterprise)の一つであり、いわゆる政府系金融機関である。ジニーメイと同様MBSの元利金保証を行うが、ジニーメイとは違いこれらは政府の一部門ではなく、あくまで民間の企業という建付けではある。もっとも、GSEが資金調達のために発行するGSE債は、国債に次ぐ安全資産として認識されている。
ファニーメイやフレディマックは、MBSの保証のみならず組成も行う。さらに、ポートフォリオ投資を行っている点も特徴的である。
このように保証を受けたMBSは、レポ取引などにおける担保として使用されることもある。
(参考):
小林正宏(2013)『米国政府抵当金庫(ジニーメイ)の最近の動向』Housing Finance 2013 Winter