オプションの非線形リスクとは?
オプションには「非線形リスク」があるというが、非線形なリスクとはいったいどのようなものなのだろうか。
ある金融商品の価格を変動させる要因をリスクファクターという。リスクファクターの変化に対して、商品価格が非線形に動くとき、これを非線形リスク(ガンマリスク)という。反対に、線形のリスクをデルタリスクという。
通常の金融商品であれば、リスクファクターの変動による商品価格の変化は線形近似(微分)、すなわちデルタリスクの捕捉のみで事足りることが多い。
一方、オプション商品は非線形リスクを持つ典型例である。商品価格関数を線形近似してデルタを捕捉することに加え、リスクファクターの変動による"デルタ"の変動、つまりガンマの捕捉が必要となる。ガンマは、言い換えれば、価格関数をテイラー展開したときの2次以降の項の値ということも可能である。
さらに、オプション価格(プレミアム)は、①価格の変動率(ボラティリティ)②万期までの時間に依存する。
つまり、①,②が変動したとき、プレミアムも変動することを意味する。ここで、①ボラティリティの変化に対するプレミアムの変化率をベガ、②時間の経過に伴うプレミアムの変化率をセータという。
オプション取引におけるリスク管理には、これらデルタ(Δ)、ガンマ(Γ)、ベガ(v)、セータ(Θ)の捕捉が必要となる。これらのリスク指標測定のための指標をグリークスという。
具体的にオプション価格(プレミアム)がどのように動くかは、例えば以下のページを参照。リスクファクターと価格の関係を示したグラフを通じて、価格がリスクファクターの変動により非線形に動いており、従ってデルタ(一階微分、接線の傾き)の値もリスクファクターの変化によって変動すること(この変動の仕方がガンマ)を視覚的に確認できる。
(参考):