<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

モーメント法とは何か

 

本ページでは、回帰分析においてパラメータを推定する方法の1つであるモーメント法についてまとめたい。

 

まず、以下の回帰式を考える。

y=α+βx+ε

ここで、回帰パラメータはαとβである。この回帰分析を行うにあたり、

誤差項の期待値がゼロ、説明変数と誤差項が平均独立であるという仮定から、

・E[ε]=0

・E[xε]=0

の2つが成り立つ。この2つに上記の回帰式を代入すると、

①E[y-α-βx]=0

②E[x(y-α-βx)]=0

となる。この2つの条件をモーメント条件という。

①を展開すると、

E[y]-α-βE[x]=0

②を展開すると、

E[xy]-αE[x]-βE[x^2]=0

①をαについて解き、これを②に代入すると、

E[xy]-αE[x]-βE[x^2]

= E[xy]-(E[y]-βE[x])E[x]-βE[x^2]

=E[xy]-E[x]E[y]-β(E[x]^2-E[x^2])

=Cov[x,y]-βV[x]=0

よって、β=Cov[x,y]/V[x]となる。これを①に代入すれば、同様にαも求めることができる。

 

上記は母集団の期待値を用いていることに注意。実際にはサンプルを用いてパラメータの推定を行うので、母集団の期待値を標本平均で置き換えてパラメータの値を計算する。

 

(参考):

田中隆一(2015)「計量経済学の第一歩 実証分析のススメ」有斐閣ストゥディア