近年、NFTが注目を集めている。このNFTが、金融業界に今後どのような影響を与えるのだろうか。
NFTとは
そもそもNFTとは、Non-Fungible Tokenの略で、代替不可能なトークン、という意味である。平たく言えば「唯一無二」なデジタル資産、ということができる。ブロックチェーン技術を用いて、それぞれのデジタル資産に固有のIDを付与し、その資産が唯一無二であることを証明する。デジタルアートやゲームのアイテム、会員権など、NFT化できるものは様々であるが、いずれにしてもデジタル上のコンテンツを「資産」として扱うことができることが画期的である。
NFTと金融
NFTを購入した人は、それを他の人に売ることもでき、金融市場と同じように売買取引を行うことができる。こうして、デジタル資産の発行と流通が可能となり、有価証券と同じように投資の対象となる。
さらに、ゲームの中の世界、あるいは仮想空間上でNFTを通じた取引を行い、その中で収益を得る、といったことが可能になる。実際の株取引と違い、ゲームという形式で楽しみながらリターンを得られるようになると、国民の金融取引への関心がより高まる可能性もある。同時に、今まで金融サービスにアクセスできなかった人がアクセス可能となる「金融包摂」に貢献できるとの指摘もある。
(参考):
天羽健介、増田雅史(2021)「NFTの教科書 ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計まで デジタルデータが資産になる未来」