<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

オンラインカジノを利用したマネーロンダリングについて

f:id:hongoh:20220519162958p:image

本ページでは、オンラインカジノ(ネットカジノ)を利用したマネーロンダリングについてまとめたい。

 

マネロンの基本的な考え方

マネーロンダリングとは日本語に訳せば「資金洗浄」である。麻薬取引などの非合法の手段で手に入れた「汚れたお金」を、合法的な(ように見える)「綺麗なお金」に変えることを意味する。

 

例えば麻薬取引などで大金を手にしたとき、それが麻薬取引によって手にしたお金だと気付かれないようにする必要がある。これこそがマネーロンダリングの本質であり、「綺麗なお金」に変えるということの意味である。

 

ここで、カジノがマネロンの舞台となることがある。

 

資金の出所を分かりづらくする

マネロンで重要なことは、その資金がどこから来たのかを分かりづらくすることである。そのための一つの手法として、金券や金融商品、あるいは車などの現物といった換金性の高い商品を汚れたお金で一旦購入し、すぐに売却するなどを繰り返す、というものがある。

 

そして、カジノも資金の出所を分かりにくくするために頻繁に利用される。まず、ギャンブル用の口座に多額の資金を預ける。そして、怪しまれないよう多少のギャンブルを行ったあと(全額を賭ける必要はない)、口座全体を空にしてしまうのである。具体的には、ギャンブル用の口座から、(入金した時とは別の)銀行口座に移し替えることで、資金の移動が追跡しづらくなる。

 

ギャンブル用の口座、銀行口座共に複数用意していればさらに追跡が難しくなる。一度に多額の入金があれば怪しまれそうだが、小口に分け、複数の口座に分散して入金すれば、怪しまれることも少なくなる。

 

オンラインカジノ(ネットカジノ)の場合、世界中どこにいても取引が可能であり、実質的に海外送金が可能となってしまい、ますますマネロンが容易な状況となっている。

 

非合法なオンラインカジノ

アメリカのFBIも、認可されたオンラインカジノであってもマネロンの潜在的な危険は残っているという認識を示しているとの報告もある。

 

さらに、認可のないオンラインカジノが規制・監視の目をかいくぐって多数立ち上げられている。

 

日本では、そもそも賭博は禁止されているので日本の業者がオンラインカジノを運営することはできないが、日本にいる個人が海外のオンラインカジノを使用することについては、グレーゾーン的な状態になっているのが実情である。

 

(出典):

How Money Laundering Really Works & Why It's A Problem In The Gambling Industry - Casino.org Blog