ストラドルとは何か
ストラドルとは、ある銘柄について、同じ権利行使価格のコールオプションとプットオプションを同じだけ保有する戦略をいう。
前提知識
そもそもオプションは、ある商品を、決められた期日(または期間内)に、決められた価格(権利行使価格)で、売買できる権利ということができる。
先物取引も似たものであるが、先物は期限が来たら必ず売買を行う必要があるのに対し、オプションはあくまで売買する「権利」であり、その権利を放棄する(何もしない)ことも可能である。その権利を行使することを「権利行使」という。
買う権利のことを「コールオプション」、売る権利のことを「プットオプション」という。
オプションの基本的な考え方については、以下のページを参照されたい。
オプションの基本的考え方① -「買う権利を売る」とは??- - 金融アトラス
オプションの基本的考え方②ープレミアムの決定要因ー - 金融アトラス
ストラドルの買い
「ストラドルの買い」というとき、コールオプションとプットオプションを同数買うことを意味する(例えば日経225オプションなど)。このストラドルの買いによって、どのような収益機会が期待されるのだろうか。
相場の上昇時の収益
市場価格が上昇し、権利行使価格を上回ったとき、コールオプションを行使すると、権利行使価格で買って、市場価格で売ることによって、収益を得られる。一方同時に保有していたプットオプションについては、権利行使しなければよい。
相場の下落時の収益
市場価格が下落し、権利行使価格を下回れば、プットオプションを行使することで、権利行使価格で売って、市場価格で買うことで、収益を得られる。一方同時に保有していたコールオプションについては、権利行使しなければよい。
発生するコスト
上記のどちらのケースにおいても、コールオプション、プットオプションそれぞれのオプション料がかかる。
よって、市場価格と権利行使価格の差が、オプション料×2を上回る分だけ、プラスの収益を得られることになる。そのため、相場が大きく動くとき、ストラドルの買い戦略は有効であるといえる。
ストラドルの売り
「ストラドルの売り」というとき、コールオプションとプットオプションを同数売ることを意味する。
収益
コールオプション、プットオプションそれぞれのオプション料が収益となる。逆に言えば、オプション料×2以上の収益は得ることができない。
相場上昇時のコスト
市場価格が上昇し、権利行使価格を上回れば、コールオプションの買い手は権利行使する。そのとき、買い手に対して権利行使価格で売る義務が発生するため、市場価格との差分だけ損をすることになる。
相場下落時のコスト
同じように、市場価格が下落し、権利行使価格を下回れば、プットオプションの買い手は権利行使する。そのとき、買い手から権利行使価格で買う義務が発生するため、市場価格との差分だけ損をすることになる。
したがって、ストラドルの売り戦略は、相場があまり大きく動かないときに有効であると考えられる。