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金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

バリュー株・グロース株と金利・景気との関係

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マーケットの世界で、「バリュー株」「グロース株」といった言葉をよく聞く。
本ページでは、それぞれの特徴と、金利・景気との関係についてまとめたい。

 

グロース株とは

グロース株とはいわゆる「成長株」のことで、その名の通り売上や利益が好調で、今後も高い成長率が期待できる株。その期待感からか投資家からの需要が高く、株価が現在の実際の企業価値に比べて割高となっていることも。米国のテック企業や急成長を遂げているスタートアップ企業等が好例。

 

バリュー株とは

いわゆる「割安株」のこと。実際の企業価値に比べて株価が低いままとなっている銘柄。

以下のような判断基準がある。

PER(株価収益率)

株価収益率 = 時価総額 ÷ 純利益 = 株価 ÷ 1株当たり利益
1株当たり利益は、会社の当期利益を発行した株式数で割って算出。PERが低いほど、株価が割安であるとされている。日本株場合、PER=15が一つの目安とされており、下回ると割安と判断されることが多い。

PBR(株価純資産倍率)

株価純資産倍率 = 株価 ÷ 1株当たり株主資本
株価純資産倍率(PBR)は、株価が純資産の何倍であるかを示す指標。「株価÷1株あたり純資産(BPS)」で算出され、低い方が割安であるとされている。PBR=1(企業価値=株価)が目安とされ、1を下回っていると企業価値に比して株価が安いと考えられる。

 

金利・景気との関係

将来の金利上昇観測が強まると、将来の証券価格の割引現在価値が下がる。これは、割引現在価値はその時点の価格をその時点での金利で割ったものとなるためである。

 

金利上昇は、グロース株にとって不利だ。グロース株はこれからの成長が期待されている銘柄で、こうした企業の中には、投資家からの期待もあって、大規模な設備投資を行って将来に大きな利益を獲得しようとしているところもある。金利が上がれば、それだけ将来利益の現在価値が大きく割り引かれることを意味するので、グロース株にとっては不利となる。逆に、金利が低ければグロース株は有利となる。

 

一方、バリュー株は景気に連動しやすいとされる。株価が景気全体に大きく左右されるということは、その会社自体の成長期待が少ないことを示唆しているためだ。景気がこれから良くなりそうという観測が強まれば、バリュー株は強くなる。