<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

アメリカの決済システムの概観

 

本ページでは、アメリカの主な資金決済システムについて概観したい。

 

Fedwire

Fedwireは、アメリカの連邦準備制度(Federal Reserve System)の下で運営される決済システムであり、アメリカ国内の(大口)資金決済に用いられる。金融機関がFedに開設している銀行口座間の振替によって決済は完了する。FedwireはRTGS(即時グロス決済)を採用している。

 

CHIPS

CHIPS(Clearing House Interbank Payments System)は、The Clearing House Payments Company L.L.C.という民営団体により運営されている決済システムで、貿易取引、外為取引、クロスボーダーの証券取引などを中心とした大口のドル決済が行われている。国際的なドル決済のかなりの割合がCHIPSを通じて行われている。国内外の金融機関がCHIPSに加盟している。

 

ACH

 ACH(Automated Clearing House)とは、企業や消費者に提供される小口(リテール)決済システムである。アメリカには、Fedが運営するFedACHとThe Clearing House Payments Companyが運営するElectronic Payments Network (EPN) がある。

 

RTP

 RTP(Real Time Payments)とは、The Clearing House Payments Companyが運営する小口の決済システムで、2017年に稼働を開始した。24時間365日稼働し、ほぼリアルタイムで決済が可能となる。

 

FedNow

FedNowは、Fedが2023年に新たに稼働を開始した米国内向けの(小口)決済システムである。24時間365日、即時グロス(RTGS)を行う。

 

最後の2つ(RTP、FedNow)は近年登場したシステムで、主にリテール決済においてリアルタイムな決済を実現する新たな試みだということができる。

 

(出典):

草野昭一(2016)「ドル決済システムの解明」愛知県立大学国語学部紀要第48号(地域研究・国際学編)