<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

経済-統計学・計量経済学

ダイナミックGMMについてメモ

ダイナミックGMMについて。 GMMの概要については以下を参照。 hongoh.hatenablog.com パネルデータにおいて、一般に個別効果が含まれる際には固定効果モデルや変量効果モデルを用いて推定を行うが、さらに被説明変数のラグ項が説明変数に含まれる場合、ダイ…

変量効果モデルについて

本ページでは、変量効果モデルについてまとめたい。 まず、固定効果と変量効果の違いについて、以下のページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com 変量効果モデルは、個別効果と説明変数に相関がない場合に用いるモデルとなる。推定においては、一般化最…

一般化モーメント法(GMM)について

一般化モーメント法(generalized method of moments、GMM)について。操作変数法によるパラメータ推定に際してGMMが用いられる。 モーメント法の基本的な考え方については以下を参照。 hongoh.hatenablog.com 次に、操作変数法の基本的な考え方については以…

ベイズ推定について

本ページでは、ベイズ推定とは何かについてまとめたい。ベイズ推定の基本的な発想は、「ある事象が発生する確率を主観的に定めて、それを客観的なデータを用いて更新していくことで、最終的により客観性の高い確率を求める」プロセスであるということができ…

回帰分析における交差項について

本ページでは、回帰分析における交差項の考え方についてまとめたい。 まず、以下のような回帰式を考える。(添え字のiを省略) Y = α + βX + ε 上式はXとYの関係を見たものであるが、XとYの関係は常に一定であるという前提を置いている。しかし、例えば何ら…

VARモデルにおけるインパルス応答関数について

本ページでは、VARモデルにおけるインパルス応答関数とは何かについてまとめたい。VARモデルの基本的な概要については、以下のページでまとめている。 hongoh.hatenablog.com インパルス応答関数は、一言でいえば、ある変数に生じたショックが、時間を通じて…

構造VARとは何か

本ページでは、構造VARとは何かについてまとめたい。 VARとは何かについては以下にまとめている。 hongoh.hatenablog.com 以下で用いる数式は、Enders and Walter(2015)を基にしている。 構造VAR 時系列データであるyとzの関係をVARモデルで記述することを考…

ハウスマン検定について

本ページでは、ハウスマン検定の概要についてまとめたい。とりわけ、ここではハウスマン検定を用いた固定効果と変量効果の判定について取り上げる。 固定効果と変量効果の概要については以下のページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com また、本ページ…

同時分布の考え方と多変量正規分布について

本ページでは、同時分布の考え方と、多変量正規分布についてまとめたい。 同時分布とは まず、具体例として、ある会社における株価と収益の増減の関係について考える。株価の変化(X1)が-5%、0%、5%のいずれかであり、会社の収益(X2)は-10%、0%、10%のいず…

ダミー変数×説明変数による交差項の利用について

本ページでは、回帰分析における交差項の利用についてまとめたい。 まず、以下のような回帰式を考える。 Y=a+bX+cD+e Yは被説明変数、Xは説明変数、aは定数項、eは誤差項である。そして、Dはダミー変数であり、例えば大企業ならD=1、中小企業ならD=0というよ…

見かけの相関(疑似相関)について平たく説明

本ページでは、見かけの相関(疑似相関)についてまとめたい。 まず、以下のような回帰分析を考える。 例えばyを血圧、xを年収とする。そして、β_1が正の値をとり、年収が高いほど血圧が高くなるという関係が得られたとする。この結果をもって、年収と血圧…

ランダム化比較実験(RCT)とは何か

本ページでは、ランダム化比較実験(RCT: Randomized Controlled Trial)の考え方についてまとめたい。 因果関係をどう捉えるか ランダム化比較実験の基本的な目的は、因果関係を特定することにある。例えば灌漑施設の建設が経済発展にどのような効果をもたら…

モーメント法とは何か

本ページでは、回帰分析においてパラメータを推定する方法の1つであるモーメント法についてまとめたい。 まず、以下の回帰式を考える。 y=α+βx+ε ここで、回帰パラメータはαとβである。この回帰分析を行うにあたり、 誤差項の期待値がゼロ、説明変数と誤差…

共和分について

本ページでは、共和分についてまとめたい。 本ページで登場する定常性や単位根といった時系列データ分析における基本的な考え方については以下のページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com 共和分 単位根過程に従う2つの系列、x、y(期を表す添字のtをこ…

ベクトル自己回帰(VAR)モデルとは何か

本ページでは、ベクトル自己回帰(VAR)モデルとは何かについてまとめたい。 時系列データ分析における基本的な考え方である定常性や自己相関、ARモデル等については、以下の2つのページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com hongoh.hatenablog.com VARモ…

操作変数法とは何か

本ページでは、操作変数法とは何かについてまとめたい。 回帰分析を行うことによってY(被説明変数)とX(説明変数)の因果関係を明らかにしたいとする。言い換えるとX→Yの因果があるかどうかを検証したいという状況を考える。 回帰分析を行ってXの相関係数…

差の差の分析について

本ページでは、差の差(Difference-in-Difference)の分析についてまとめたい。差の差の分析は、ある政策による時間を通じた効果を測定したい場合に有用な分析手法となる。 パネルデータ パネルデータとは、個人や地域、企業のデータを複数時点で観測したも…

ARCHモデルについて

本ページでは、ARCH(autoregressive conditional heteroscedasticity model)モデルの概要についてまとめたい。 本ページで登場する自己相関や定常性、ホワイトノイズといった概念など、時系列分析の基本的な事項については以下の2つのページを参照された…

単位根過程、単位根検定について

本ページでは、単位根過程・単位根検定についてまとめたい。単位根過程は、時系列データの分析を行う際に登場する概念である。 本ページでは時系列データ分析に関する用語がいくつか登場する。まず、自己相関や定常性といった基本的な考え方については、以下…

ARモデル、MAモデル、ARMAモデルとは何か

本ページでは、ARモデル、MAモデル、ARMAモデルとは何かについてまとめたい。 本ページに登場する、時系列データ分析における自己相関や定常性といった基本的な概念については、以下のページでカバーしている。 hongoh.hatenablog.com 以下のモデルでは定常…

F検定の考え方について平たく説明

本ページでは、F検定の考え方についてまとめたい。 仮説検定の基本的な考え方については以下のページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com F検定の概要 F検定は、複合仮説検定といって、複数のパラメータについて仮定をおいたものとなっている。 まず、以…

相関係数と回帰係数の関係について

本ページでは、相関係数と回帰係数の関係についてまとめたい。 相関係数 2つの変数間の関係を示したものが相関係数である。相関係数の導出のためには、まず共分散を知っておく必要がある。 共分散は、 で求められる。i番目のx、yの平均との乖離が同じ方向…

時系列データにおける自己相関・定常性とは何か

本ページでは、時系列データにおける自己相関とは何かについてまとめたい。 時系列データの特徴 クロスセクションデータセットと異なり、時系列データは観測された順序が重要であり、時点で順序付けられたデータである。そして、時系列データはしばしば自己…

標準偏差と標準誤差の違いについて平たく説明

本ページでは、標準偏差と標準誤差の違いについてまとめたい。 母集団と標本 標準偏差と標準誤差の説明に入る前に、まず、母集団と標本の関係について整理しておきたい。 ある調査対象(例えば日本人、日本企業など)があり、その全ての要素を含んだものが母集…

2標本t検定について平たく説明

本ページでは、2標本t検定とは何かについてまとめたい。(ここではいわゆる「対応がない」2標本検定について取り上げている)。 仮説検定の基本的な考え方については、以下のページでまとめている。なお、ここで紹介されているt検定の例は、1標本のt検…

最小二乗推定量を行列で表現してみる

本ページでは、最小二乗推定量を行列とベクトルを用いて表現する方法についてまとめたい。具体的には、回帰式 の推定量を行列とベクトルを用いて表現してみる。 行列のおさらい まず、本題に入る前に、行列のおさらいを簡単に行う。 行列の積 行列の積は以下…

対数を含む回帰式における係数の解釈について

本ページでは、対数を含む回帰式における係数の解釈についてまとめたい。 以下、3つの種類の回帰式において、それぞれの係数の読み取り方について説明する。lnは自然対数を示す。 ①Y=a+bX+u こちらは、対数を含まない標準的な回帰式である。この式において…

最尤法とは何か

本ページでは、最尤法とは何かについてまとめたい。 最尤法の概要 最尤法の基本的な目的は、「観測されたデータがどんな確率分布に従うか」を推定することにある。 例えば、抽出したサンプルデータが1,5,7という値であったとする。ここで、このデータがどん…

プロビットモデル・ロジットモデルの簡単な概要について

本ページでは、プロビットモデル・ロジットモデルの概要についてまとめたい。 両モデルは、ダミー変数(1または0のみをとる変数)を被説明変数とした場合に、説明変数との関係を説明する際に用いる。 例えば合格・不合格、犯罪歴の有り・無しといった二つの値…

固定効果と変量効果について平たく説明

本ページでは、固定効果と変量効果の概要についてまとめたい。厳密なモデルの詳細や数式については、参考書等を参照されたい。 これらは、パネルデータを用いた実証分析の手法である。 パネルデータ パネルデータとは、個人や地域、企業のデータを複数時点で…