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金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

動学的不整合性について

金融政策における動学的不整合性について。 中央銀行が直面するトレードオフ 中央銀行の金融政策の目的として、物価の安定や、景気対策(失業率上昇の防止)等が挙げられる。そして、物価の安定を左右するインフレ率と、失業率の間には、負の相関関係がしば…

日本における金融機関の破綻処理について

日本における金融機関の破綻処理について。 金融機関の破綻で生じた損失を誰が負担するのか 破綻処理について考える上での前提として、金融機関が破綻に至る中で生じた損失をだれが負担するのか、という問題がある。金融機関の破綻に際して預金が全額保護さ…

MBSの期限前償還リスク(プリペイメントリスク)とは何か

本ページでは、MBSにおける期限前償還リスク(プリペイメントリスク)とは何かについてまとめたい。 MBSとは MBS(Mortgage-Backed Security、住宅ローン担保証券)とは、住宅ローンを担保にして発行される証券である。RMBS(Residential Mortgage-Backed Securit…

シリコンバレー銀行はなぜ破綻したのか

本ページでは、アメリカのシリコンバレー銀行が破綻した理由についてまとめたい。現時点で分かっていることを文末の情報ソースなどからまとめている。 カリフォルニア州に本拠地を置くシリコンバレー銀行は、ベンチャー企業(とりわけテック系)を主要顧客とし…

債券のデュレーションとは何か―利付債の場合

本ページでは、利付債のデュレーションについてまとめたい。 デュレーションは、金利が変化した時の債券価格の感応度を表している。 Δrは金利変化、ΔP/Pは債券価格の変化率、Dはデュレーションである。上記式でマイナスが付いているのは、債券価格と金利には…

ARCHモデルについて

本ページでは、ARCH(autoregressive conditional heteroscedasticity model)モデルの概要についてまとめたい。 本ページで登場する自己相関や定常性、ホワイトノイズといった概念など、時系列分析の基本的な事項については以下の2つのページを参照された…

単位根過程、単位根検定について

本ページでは、単位根過程・単位根検定についてまとめたい。単位根過程は、時系列データの分析を行う際に登場する概念である。 本ページでは時系列データ分析に関する用語がいくつか登場する。まず、自己相関や定常性といった基本的な考え方については、以下…

ARモデル、MAモデル、ARMAモデルとは何か

本ページでは、ARモデル、MAモデル、ARMAモデルとは何かについてまとめたい。 本ページに登場する、時系列データ分析における自己相関や定常性といった基本的な概念については、以下のページでカバーしている。 hongoh.hatenablog.com 以下のモデルでは定常…

為替レートの決定理論(カバー付き金利平価、カバーなし金利平価など)

本ページでは、カバー付き金利平価、カバーなし金利平価、実質為替レートといった概念についてまとめたい。 以下では、ドル・ユーロ間の為替レートを例にとって考えてみる。為替レートを以下のように表現するとき、1ユーロ1.2ドルであることを意味する。この…

所得効果と代替効果の計算

価格が変化した時の代替効果・所得効果の計算について考えてみる。 代替効果、所得効果の概要については以下のページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com 財1、財2の2つの財の消費量を決定することを想定する。価格変化前の2つの財の組み合わせを(a,…