<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ドーマー条件について平たく説明

本ページでは、ドーマー条件とは何かについてまとめたい。ドーマー条件とは一言でいえば、財政の安定化を示した条件である。 t期末の債務残高Dは、t期末のプライマリーバランス(債務の返済を除いた財政収支)PBと、前期までの債務残高、利払費(利子率r…

財政政策の効果について(乗数効果、クラウディング・アウト)

本ページでは、財政政策の効果についてまとめたい。 ここでは、以下のIS-LM分析を前提とするので、こちらも併せて参照されたい。 hongoh.hatenablog.com 乗数効果 まず、財市場の均衡条件は以下のように表せる。 Y = A+c(Y-T)+I(r)+G Aは基礎的消費、cは…

バランスシートにおける固定資産の減価償却の取扱いについて

本ページでは、バランスシートにおける固定資産の減価償却の取扱いについてまとめたい。 バランスシート上、固定資産の簿価は購入額でまずは評価される。設備等の固定資産は、年数を経るごとに性能が低下する中で、購入時にあった価値を保てなくなると考えら…

資金決済法における暗号資産登録業者について

資金決済法において、暗号資産は以下のように定義されている(第2条5項)。 5 この法律において「暗号資産」とは、次に掲げるものをいう。ただし、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第三項に規定する電子記録移転権利を表示するものを除く…

金融機関における金利スワップ業務

金利スワップとは、固定金利と変動金利といった異なる種類の金利を、定められた期間の間定期的に契約相手方と交換する取引である。例えば金利が今後上昇するとの相場観を持つ事業法人は、変動金利と固定金利をスワップし、固定金利の受け取りの契約を結ぶこ…

需要法則(価格が上がると需要は下がる)は常に正しいか

需要法則とは、価格と需要に逆相関がある、つまり需要曲線が右下がりになるというものである。この需要法則は常に成り立つのだろうか。 このことについて検証するために、ある財(財1)の価格が上昇した時の財の消費量の変化を、以下のように分解してみる。 価…

端点解について

2つの財の消費量を決定する個人を考える。このとき、どちらかの財の消費量が0となる場合(つまり予算制約線の端、x軸またはy軸上の点)が最適解となる場合がある。こうした解を端点解という。 通常は2つの財の価格比が限界代替率と等しくなる点が最適解とな…

連続複利とネイピア数について

本ページでは、連続複利で割り引いた現在価値の算出方法についてまとめたい。 単純なケース まずはシンプルなケースとして、離散的な複利を考える。現在価値がSで、年率r%で運用される金融資産について、T年後の将来価値Fは F=S*(1+r)^T となる。よって現在…

先物を用いたヘッジ取引におけるベーシスリスクとは何か

本ページでは、先物を用いたヘッジ取引におけるベーシスリスクとは何かについてまとめたい。 先物を用いたヘッジ取引の基本的な考え方については以下のページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com ここでのベーシスとは、簡単に言えば現物価格と先物価格…

見かけの相関(疑似相関)について平たく説明

本ページでは、見かけの相関(疑似相関)についてまとめたい。 まず、以下のような回帰分析を考える。 例えばyを血圧、xを年収とする。そして、β_1が正の値をとり、年収が高いほど血圧が高くなるという関係が得られたとする。この結果をもって、年収と血圧…