国際金融規制-バーゼル規制
本ページでは、AT1債とTier2債に算入される資本の要件がどのようにバーゼルⅢにて定められているかについて整理する。とりわけ、ベイルインを実現するために元本削減や株式転換がどのような条件の下実施されるかに着目する。 AT1 BCBSの公表している国際合意…
本ページでは、バーゼル規制の自己資本比率における調整項目の基本的な考え方についてまとめたい。 自己資本比率規制は、リスクアセット(分母)に占める自己資本(分子)の割合を一定以上求める規制であるが、調整項目とは、分子の自己資本から一定の額を控…
本ページでは、最終指定親会社とは何かについて、金商法の条文を見ながら確認していきたい。 金商法上の規定 最終指定親会社についての規定は、金商法第五十七条の十二に定められている。 まず、「指定親会社」とは何か、から見ていこう。 第二款 指定親会社…
本ページでは、バーゼルⅢにおける信用リスクの標準的手法における外部格付の有無に応じた対応と、標準的手法で求められるデューデリジェンスについてまとめたい。 バーゼル規制において、リスク資産に対して一定の自己資本を求めている(自己資本比率規制)。…
本ページでは、バーゼル規制における仮想通貨の取り扱いについてまとめたい。 バーゼル委員会は2021年6月、銀行の暗号資産へのエクスポージャーの規制上の取り扱いに関して市中協議を実施した。これは、暗号資産関連のマーケットが継続的な成長し、技術革新…
本ページでは、バーゼルⅢにおけるリスクアセット算出方法の全体像についてまとめたい。具体的な算出方法の詳細は本ページでは立ち入らないので、金融庁の告示文書や各種参考文献等を参照されたい。 バーゼル規制においては金融機関の健全性確保のために、リ…
本ページでは、レバレッジ比率規制とは何かについてまとめたい。 レバレッジ比率規制の概要 端的に、レバレッジ比率規制は以下の算式で求められる。 レバレッジ比率 = Tier 1 /エクスポージャー額≧ 3% ※G-SIBs(国際的な金融システムにおいて重要な金融機関…
バーゼル規制の自己資本比率規制においては、信用リスク、マーケットリスク、オペレーショナルリスクを計測し、そのリスク量に見合った自己資本を積むことが求められる。このリスク量算出にあたり、「エクスポージャー」、「リスクアセット」、「所要自己資…
本ページでは、大口信用供与等規制とは何かについてまとめたい。 規制の概要 大口信用供与等規制は、銀行をはじめとする金融機関が特定の主体に与信(貸出など)を集中させることを防止するための規制であり、銀行法によって規定されている。特定の主体(法人な…
本ページでは、RCAP(規制整合性評価プログラム)とは何かについてまとめたい。RCAPとは、一言でいえば、バーゼル規制における内部モデルによるリスクアセット算定が各国でバラツキのないよう、各国間の規制の一貫性・整合性を目的とするものである。 バーゼル…
本ページでは、ファンドにおける「ルックスルー」とは何かについてまとめたい。 ファンドは、投資家から資金を募り、さまざまな資産に投資する金融商品である。例えば日経225に含まれる銘柄に投資するファンドなどがイメージしやすいだろう。 「ルックスルー…
本ページでは、オペレーショナルレジリエンスとは何かについてまとめたい。バーゼル銀行監督委員会は、2021年3月、「オペレーショナル・レジリエンスのための諸原則」を公表した。これは、銀行に対してオペレーショナルレジリエンスの確保のために求める原…
本ページでは、バーゼルⅢの全体像についてまとめたい。 バーゼル規制の「3本の柱」 バーゼル規制では、銀行の健全性確保のための規制として、次の3本の柱を掲げている。 第1の柱:資本賦課 自己資本比率規制。バーゼル規制の最もポピュラーな規制といって…
本ページでは、FRTBにおけるマーケット・リスクに対する資本賦課額算出の標準的手法についてまとめたい。ここでは数式は使わず、概念をまとめているのみなので、厳密な定義や数式等の詳細は告示文書や、文末の参考文献等を参考にされたい。 FRTBとは 2016年1…
本ページでは、バーゼル規制における信用リスク削減手法とは何か、その概要についてまとめたい。詳細は金融庁の告示文書や、以下に示す参考文献等を参考にされたい。 一言でいえば、自己資本比率規制における信用リスクアセット額の算出に当たり、担保等があ…
本ページでは、バーゼルⅢにおける自己資本比率規制の概要についてまとめたい。 自己資本比率規制の概要 自己資本比率規制では、国際的に業務を行っている銀行(国際統一基準行)に対して以下を満たすことを「所要最低水準」として求めている。 総自己資本比…
バーゼル規制は国際的に合意された内容をもとに、各国の法律にその内容が反映される仕組みになっている。本ページでは、バーゼル規制の国際合意文書と、日本における法令を参照できるリンク先についてまとめたい。 バーゼル合意文書 金融安定理事会(FSB)の…
本ページでは、IRRBB(Interest Rate Risk in the Banking Book)とは何かについて、概要をまとめたい。一言でいえば、「銀行勘定の金利リスク」ということになる。バーゼルⅢでは、この銀行勘定の金利リスクに関する規制を定めている。 銀行勘定の金利リスクと…
本ページでは、ベイルイン(Bail-in)とはどのような考え方なのかについてまとめたい。ベイルインは、金融機関の破綻時に、政府による公的資金の注入ではなく、金融機関の株主や債権者等に救済にかかる費用を負担させることをいう。具体的には、債務の元本削…
本ページでは、バーゼル規制における安定調達比率とは何かについてまとめたい。 流動性リスクの顕在化により、銀行の健全性が損なわれると、金融システム全体、ひいては実体経済にまで影響を及ぼしかねない。そこで、バーゼルⅢでは、流動性確保のために、流…
本ページでは、バーゼル規制における流動性カバレッジ比率とは何かについてまとめたい。 流動性リスクの顕在化により、銀行の健全性が損なわれると、金融システム全体、ひいては実体経済にまで影響を及ぼしかねない。そこで、バーゼルⅢでは、流動性確保のた…
本ページでは、バーゼル規制において指摘されていたプロシクリカリティについて、バーゼルⅢで新たに講じられた対応策についてまとめたい。プロシクリカリティの概要については、以下のページにまとめている。 hongoh.hatenablog.com 1.資本保全バッファー …
本ページでは、プロシクリカリティとは何かについてまとめたい。プロシクリカリティとは、一言でいえば「景気循環増幅効果」のことを指す。景気循環を増幅・助長するような効果ということだ。かねてより、金融システムの安定のために銀行に一定の自己資本を…
本ページでは、ダブルギアリング規制とは何かについてまとめたい。 ダブルギアリング規制とは、銀行などの金融機関が、他の金融機関に出資することを規制するものである。金融機関どうしがお互いの資本を持ち合っている状況をダブルギアリングというが、この…