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金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

日本の法律

大口信用供与等規制とは何か

本ページでは、大口信用供与等規制とは何かについてまとめたい。 規制の概要 大口信用供与等規制は、銀行をはじめとする金融機関が特定の主体に与信(貸出など)を集中させることを防止するための規制であり、銀行法によって規定されている。特定の主体(法人な…

「疑わしい取引」とは?ーマネロンの防止ー

本ページでは、金融機関が金融庁に届出が必要とされる「疑わしい取引」とは何かについてまとめたい。届出は、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(犯罪収益移転防止法、犯収法)に規定されている。 マネーロンダリングの防止 「犯罪収益移転」、つまり…

金融機関における「利益相反」とは?

金融機関のコンプライアンスを考える際、「利益相反」は重要なキーワードの一つである。しかし、この「利益相反」が何を指すのか、法律上の明確な定義を見つけることは難しい。本ページでは、「利益相反」の基本的な考え方についてまとめたい。 利益相反の類…

銀行代理業の銀行法上の取り扱いについて

本ページでは、銀行代理業の銀行法上の取り扱いについて整理する 。 まず、銀行法二条十四項において、銀行代理業は以下の通りに定義されている。 この法律において「銀行代理業」とは、銀行のために次に掲げる行為のいずれかを行う営業をいう。一 預金又は…

投信法における特定資産の定義について

本ページでは、投信法(投資信託及び投資法人に関する法律)における「特定資産」の定義についてまとめたい。(本ページはほぼ投信法の引用。) 投資信託の投資対象 まず、投資信託の投資対象として、投信法の第二条において以下の通り定められている。 この…

銀行法における外国銀行業務の取り扱い

本ページでは、銀行法における外国銀行業務の取り扱いについて整理する。 銀行法において、外国の銀行が日本で銀行業を営む際には、以下の条文の通り免許の取得を求めている。 第四十七条 外国銀行が日本において銀行業を営もうとするときは、当該外国銀行は…

銀行が営むことのできる業務の範囲とは?

本ページでは、銀行が営むことのできる業務の範囲を、銀行法を引用する形で整理したい。(本ページはほぼ銀行法の引用。) まず、銀行業としての固有の業務は、預金・貸出・為替のみである 。銀行法十条一項に記載がある。 第十条 銀行は、次に掲げる業務を…

経済制裁の一つである「資産凍結」その根拠法令や具体的方法とは?

本ページでは経済制裁の一つである資産凍結がどの法律に基づいて行われているのか、そしてその具体的な内容についてまとめたい。 2022年2月からのロシアのウクライナ侵攻により各国がロシアに対して経済制裁を課す中、日本もロシアに対してロシア政府関係者…

デリバティブの損益通算で租税負担は軽くなる?

近年、デリバティブ取引を「損益通算」の範囲に認めることについての議論が続いているが、これはいったい何を目的とした議論なのか、本ページではまとめてみたい。 損益通算とは そもそも損益通算とは何か。金融商品には株や債券、デリバティブなど様々な物…

古物商、質屋を利用したマネーロンダリングについて

本ページでは、古物商・質屋を利用したマネーロンダリングの手口についてまとめたい。2021年8月に国際組織「金融活動作業部会」(FATF)が8月に公表した日本のマネーロンダリング対策に対する審査では、古物商等の金融機関以外の対策が不十分との指摘が…

租税における水平的公平と垂直的公平について

租税の大原則の一つに「公平性」がある。さらにその中でも、「水平的公平性」「垂直的公平性」の2種類がある。本ページでは、この「租税の公平性」についてまとめたい。 水平的公平 水平的公平とは、「同じ租税負担力を有する者には同じ水準の税負担を課すべ…

損失補填とは?損失補填が禁止される理由とは?

本ページでは、損失補填とはなにか、 そして損失補填が金商法上なぜ禁止されるのかについて考えてみたい。 損失補填とは 損失補填とは、 証券会社等が顧客の取引によって生じた損失を補てんすることである。たとえば投資家が証券会社Aの口座を通じて株取引を…

金融商品取引法の目的について考える

本ページでは、金融商品取引法が何を目的とした法律なのかについて考えてみたい。 金商法第一条 金商法の目的については、条文の第一条で明示されている。 (目的) 第一条 この法律は、企業内容等の開示の制度を整備するとともに、金融商品取引業を行う者に…

犯罪収益移転防止法とは何か

本ページでは、犯罪収益移転防止法(犯収法)の概要についてまとめたい。一言でいえば、犯罪行為の撲滅を資金面から支えるものとなっている。 マネーロンダリングの防止 「犯罪収益移転」、つまりマネーロンダリングの防止が犯収法の主要な目的である。 マネー…

金融所得課税を見直すべきか?ー分配と成長のバランスー

2021年10月、岸田政権が発足し、「分配なくして成長なし」と訴えた。そして、分配を重視した施策の一環として、金融所得課税の見直しを検討するとした。 2021年現在、金融所得に対しては基本的に約20%の税率が課せられている。この金融所得課税見直しの是非…

外為法改正に見る経済安全保障と経済成長のジレンマ

「経済安全保障」の重要性が近年強調されつつある。経済安全保障とは広範な概念であるが、民間企業の視点に立てば、技術や情報が外国に流出し、戦争行為等に利用されることを防ぐこと、と言うことができるだろう。 2019年、外為法(外国為替および外国貿易法)…

最良執行方針とは何か、またその現状について

本ページでは、金商法における最良執行方針に関する規定についてまとめたい。 最良執行方針とは 証券会社は、顧客からの有価証券の売買注文を受けて、市場で売買を実行する。有価証券の市場価格は刻一刻と変わり、いかに顧客にとって有利な条件で取引を実行…

二重課税の種類について

本ページでは、二重課税にはどのような種類があるのかについてまとめたい。 ①法人税と所得税 法人税は個人所得税の前払いとして機能するという考え方がある。個人の所得には給与所得以外にも、株式を保有していることによる配当や、株式を売却することにより…

法人税はなぜ課される?法人税の課税根拠について

本ページでは、法人税の課税根拠についてまとめたい。 応益説 まず法人税の課税根拠として挙げられるのは「応益説」である。これは、法人が政府から提供を受けた便益に対する対価として法人税を支払う必要がある、というものである。会社が経営を営むにあた…

ストラドル取引を用いた租税回避について

デリバティブを利用した投資手法であるストラドルが、租税回避に使われるという懸念があるという。本ページでは、ストラドルを用いた租税回避についてまとめたい。 ストラドルとは ストラドルとは、デリバティブ取引の「買い」と「売り」を両建てで取引する…

外国税額控除について分かりやすく

本ページでは、法人税における外国税額控除の概要と、関連する制度についてまとめたい。 全世界所得課税主義 まず、日本の法人税は全世界所得課税主義の考え方をとっている。国内でビジネスをしても国外でビジネスをしても、同じ税率が日本で課されるという…

ソーシャルレンディングにおいて存在した匿名化と情報開示の問題

投資家から集めた資金をファンドを通じて企業等に貸し付ける「ソーシャルレンディング」を行う業者は、第二種金融商品取引業と貸金業の登録が基本的に求められる。このうち「貸金業」について、ソーシャルレンディング特有の論点がある。それは、「投資家が…

外国子会社配当益金不算入について分かりやすく

本ページでは、外国子会社配当益金不参入制度についてまとめたい。この制度は、海外と国内で二重に課税が発生するのを防ぐものとなっている。 漢字が多くて分かりづらいが、言葉を補って書き直すと「外国子会社(からの)配当(を国内本社の)益金(には)不参入(…

CFC税制(タックスヘイブン対策税制)とは何か

CFC(Controlled Foreign Company)税制とは、外国子会社等を利用した租税回避を防止するために、一定の条件を満たす外国子会社の所得を日本の親会社の所得とみなし、日本で課税する制度である。タックスヘイブン対策税制又は外国子会社合算税制ともいう。 …

パススルーとペイスルー-二重課税の回避-

本ページでは、ファンドへの課税における「パススルー」と「ペイスルー」の概念の違いについてまとめたい。どちらも、法人税と所得税の「二重課税」を防ぐしくみであり、「導管性」を持つという言い方をされる。 二重課税について 器(ビークル)であるファ…

改正貸金業法の概要と問題意識について

本ページでは、改正貸金業法の概要についてまとめたい。 貸金業法改正の背景 改正貸金業法は、2006年に成立した。当時の日本においては、「多重債務問題」が社会問題化していた。 2003年、全国の個人の自己破産申立件数は24万件を超え、これは1990年の1万127…

銀行には貸金業法は適用されない?

貸金業法は、金銭の貸付を営む業者に対する規制を定める法律である。貸金業法に定める「貸金業者」は、主に消費者金融やクレジットカード会社等を想定したものとなっている。 ここで、「お金を誰かに貸し付ける業者」として本来最も代表的なものは、銀行であ…

クレジットカード会社は貸金業法と割賦販売法の規制を受ける

銀行や証券会社の他にも、金融サービスを提供する様々な業者がある。「クレジットカード」もその一つであり、日常生活において非常に身近なものとなっている。このクレジットカード業務を営む会社は、いかなる規制を受けるのか。本ページでは、クレジットカ…

ソーシャルレンディングにおける業登録について

ソーシャルレンディング業界における行政処分の事例が相次いでいる。2021年5月には融資先の実態を正しく把握していなかったとして、「SBIソーシャルレンディング」に対し金融庁が業務停止命令を出すこととなった。 金融庁は、ソーシャルレンディングに関し投…

投資銀行業務(IB)の法律上の位置づけとは?

投資銀行業務(IB)は、企業のM&Aや、株式や社債発行を通じた資金調達のサポート・アドバイスを行う業務であり、昨今の就活性から大人気の花形部門である。 しかし、「投資”銀行”業務」と名前がついていながら実際は証券会社が行っていたり(野村證券やゴー…