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金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ソーシャルレンディングにおいて存在した匿名化と情報開示の問題

投資家から集めた資金をファンドを通じて企業等に貸し付ける「ソーシャルレンディング」を行う業者は、第二種金融商品取引業と貸金業の登録が基本的に求められる。このうち「貸金業」について、ソーシャルレンディング特有の論点がある。それは、「投資家が…

オフショア取引とはー外・外取引ー

「オフショア取引」または「オフショア市場」という言葉をよく耳にする。オフショアとは「海外」を意味するが、単純に海外の市場のことを「オフショア市場」というわけでもなさそうだ。 はっきりとした定義があるわけではないが、「主に海外の当事者どうしの…

IPOにおける公開価格と初値の乖離に関する問題

本ページでは、IPOにおける公開価格と初値の乖離に関する問題についてまとめたい。 新規上場(IPO、Initial Public Offering)において、主幹事証券会社により決定される売り出し価格である公開価格と、その後上場して初めて決まった市場価格である初値が乖…

外国子会社配当益金不算入について分かりやすく

本ページでは、外国子会社配当益金不参入制度についてまとめたい。この制度は、海外と国内で二重に課税が発生するのを防ぐものとなっている。 漢字が多くて分かりづらいが、言葉を補って書き直すと「外国子会社(からの)配当(を国内本社の)益金(には)不参入(…

「コア業務純益」と投資信託解約益の問題

本ページでは、主に地銀の収益性の文脈で議論される「コア業務純益」と投資信託解約益についてまとめたい。 銀行の収益性 銀行の決算資料を見ると、財務諸表の数値の他にも、収益性や健全性を示す指標が様々開示されている。 業務粗利益 銀行粗利益とは、銀…

"外部委託"が日系資産運用会社の海外運用を支えている

日本で売られている投資信託などのファンドには、様々な種類がある。日本株や海外株式、海外債券、不動産などなど。 日系の大手資産運用会社では、上記のような幅広いラインナップの商品が提供されている。しかしながら、日系の資産運用会社のファンドマネー…

CFC税制(タックスヘイブン対策税制)とは何か

CFC(Controlled Foreign Company)税制とは、外国子会社等を利用した租税回避を防止するために、一定の条件を満たす外国子会社の所得を日本の親会社の所得とみなし、日本で課税する制度である。タックスヘイブン対策税制又は外国子会社合算税制ともいう。 …

Too-big-to-fail(大きすぎて潰せない)とは何か

本ページでは、Too-big-to-fail(大きすぎて潰せない)とはどのような概念を意味するのかについてまとめたい。以下、Too-big-to-failをTBTFと略して話を進める。 TBTFとは ある金融機関について、提供するサービスの規模が大きく、金融システム上重要な役割…

安定調達比率とは何か

本ページでは、バーゼル規制における安定調達比率とは何かについてまとめたい。 流動性リスクの顕在化により、銀行の健全性が損なわれると、金融システム全体、ひいては実体経済にまで影響を及ぼしかねない。そこで、バーゼルⅢでは、流動性確保のために、流…

流動性カバレッジ比率とは何か

本ページでは、バーゼル規制における流動性カバレッジ比率とは何かについてまとめたい。 流動性リスクの顕在化により、銀行の健全性が損なわれると、金融システム全体、ひいては実体経済にまで影響を及ぼしかねない。そこで、バーゼルⅢでは、流動性確保のた…

銀行の流動性リスクについて

本ページでは、銀行の流動性リスクについてまとめたい。 ある資産の流動性があるとは、市場で十分な取引量がある等の理由により、「資産を市場から調達しやすい」あるいは「資産を売却して換金しやすい」といったことを意味する。 銀行における流動性リスク …

組合型ファンドの種類について

本ページでは、組合型ファンドにはどのような種類があるかについてまとめたい。 そもそも、ファンドにはどのような種類があるかについては、以下のページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com 組合型ファンドの一般的な特徴としては、組合という法人格を…

パススルーとペイスルー-二重課税の回避-

本ページでは、ファンドへの課税における「パススルー」と「ペイスルー」の概念の違いについてまとめたい。どちらも、法人税と所得税の「二重課税」を防ぐしくみであり、「導管性」を持つという言い方をされる。 二重課税について 器(ビークル)であるファ…