日銀ネットと全銀システム
本ページでは、日銀ネットと全銀システムがどのように関係しているかについてまとめたい。
日銀ネット
日銀ネット(日本銀行金融ネットワークシステム)は、日本銀行が運営している金融機関間の資金や国債の決済をオンライン処理により行うためのネットワークシステムである。日銀ネットには、資金決済システムである「日銀ネット当預系」と国債決済システムである「日銀ネット国債系」の2種類がある。
全銀システム
全銀システム(全国銀行データ通信システム)は、日本の金融機関相互間の内国為替取引をオンラインで処理するシステムであり、全国銀行資金決済ネットワークが運営している。全銀システムには、日本のほぼ全て預金取扱金融機関が参加している。
異なる銀行間での振込取引
「AさんがBさんに100万円の振込を行う」というシンプルな例を考える。A、Bの銀行口座が同一の銀行のものであれば、銀行間の資金移動であるため、上記の決済システムは関与しない。
一方、異なる銀行間での取引であった場合(例えばAさんの口座はX銀行、Bさんの口座はY銀行)、資金移動は以下のような流れとなる。
まず、上記の例の取引により、X銀行はY銀行に対して100万円の債務を負う。この債権・債務関係は、最終的には両金融機関の日銀当座預金間の資金移動によって解消される。言い換えれば、日銀当座預金の振替によって決済が完了する。このX、Y銀行間の当座預金の振替が、日銀ネットを通じて行われる。
この日銀ネットを通じた決済が完了するためには、日銀ネットに対して各金融機関の受払額の情報が通知される必要がある。この役割を担うのが全銀システムである。1億円未満の小口取引について、全銀システムにて金融機関ごとに受払差額が計算され、1日に一回日銀ネットに送信される。よってこれらは時点ネット決済(DTNS)によって処理される。
一方、1億円以上の大口取引の場合、支払指図毎に個別に支払に関する情報が全銀システムから日銀ネットに通知される。この種の取引については、日銀当座預金上で即時グロス決済(RTGS)によって処理される。
(出典):
日銀ネットとは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan
内国為替取引・資金清算の仕組み|全銀システムとは|全国銀行資金決済ネットワーク