小切手、約束手形の違いとは?
本ページでは、小切手と約束手形とは何かについてまとめたい。
小切手
小切手は、財の決済時に、購入者が現金の代わりに差し出す証書であり、受け取った側はこの小切手を銀行に提示することにより、銀行から支払いを受けることができる。
10万円の商品を購入した時、「10万円」とかかれた小切手を渡し(このことを振り出しという)、小切手をもらった側はそれを持って銀行に行けば、10万円を受け取ることができるというものである。
少額の取引であれば直接現金を渡すだけで良いが、金額が多くなると多額の現金を持ち歩くのは危険なので、紙一枚で支払いを証明できる小切手は利便性が高く、日本では主に企業間の取引でよく用いられる。(アメリカでは、個人間の取引でも小切手がよく用いられる。)
小切手を使った支払いを行うためには、銀行に当座預金口座を開設し、小切手用紙がつづられた小切手手帳の交付を受ける必要がある。そして、基本的に前もって小切手によって支払う金額以上の額を銀行に預けていなければならない。
小切手を受け取った側は、その小切手を発行している金融機関に加えて、自分が口座を持っている金融機関の窓口に行くことによっても、換金を行うことが可能である。個人間の取引においても小切手(チェック)が頻繁に使われるアメリカでは、オンラインアプリを通じた小切手の換金も普及している。
約束手形
約束手形も小切手と同様、購入者が現金の代わりに差し出す証書であり、受け取った側は約束手形を銀行に提示することにより、銀行から支払いを受けることができる。
小切手と約束手形の違いは、小切手は受け取った側が直ちに換金することが可能なのに対し、手形の場合は基本的に支払期日にならないと現金化ができないという点である。
そして、小切手は振り出すときにその金額以上の預金がある必要があるが、手形の場合は振り出しの時点では預金額が不足していても問題ない。そのかわり、定められた支払い期日までに確実に預金を必要額まで積めば良い。
振り出し後に残高が不足する場合
しかし、小切手や手形は言わば紙切れに過ぎず、これらの取引は多かれ少なかれ「信用」に依拠している。振り出し後、預金残高が不足する場合は、受け取った側は全額の換金ができなくなってしまう。こうした状況を「不渡り」という。
不渡りになったとき、振り出した側は、銀行からの信用評価の低下、借入や融資の制限といったペナルティを受けることになる。
(参考):