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金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

CBDCについて

 

CBDC(Central Bank Digital Currency,中央銀行デジタル通貨)について。本ページではCBDCの類型についてまとめる。

 

①リテール型vsホールセール型

個人や企業が利用する一般利用型(リテール型)と、主に大口取引における金融機関間の決済に用いられるホールセール型に分けられる。リテール型はさらに直接型と間接型に分けられる。直接型では、中央銀行はCBDCを発行するのみならず取引の処理を行う。一方で間接型では、中央銀行はCBDCの発行を行い、金融機関・決済サービス事業者が取引の処理を行う。

 

②口座型vsトークン型

台帳の記録方法に基づく分類である。口座型では、ユーザーごとに残高を記録する。トークン型では、金銭的価値の塊であるトークンごとにユーザーを紐づけて記録する。例えば1万円相当のトークンを保有するのは誰々、といった具合である(実際には公開鍵暗号方式という暗号技術により紐付けが行われており、匿名性は確保されている)。

 

③台帳の中央管理型vs分散型

台帳の管理主体が誰か、で分類を行うことも可能である。中央管理型では、単一の主体が取引の検証や記録を行う。一方、分散型においては、複数の主体が同一の台帳を保有し、各主体が取引の検証や記録を行う。分散型台帳技術(Distributed Ledger Technology, DLT)を用いることが一般的である。

 

 

(参考):

杉江次郎、鳩貝淳一郎(2022)「分散型台帳技術を活用した決済の改善の取り組み― 各国のホールセール型 CBDC の実証実験を中心に ―」日銀レビュー

日本銀行(2020)「中銀デジタル通貨が現金同等の機能を持つための技術的課題」