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個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

回帰分析における交差項について

本ページでは、回帰分析における交差項の考え方についてまとめたい。

まず、以下のような回帰式を考える。(添え字のiを省略)

 

Y = α + βX +  ε

 

上式はXとYの関係を見たものであるが、XとYの関係は常に一定であるという前提を置いている。しかし、例えば何らかの要因でα、βが変化することはないのだろうか。

 

そこで、α、βがある変数(Z)に依存することを考える。すなわち、

α = γ1 + θ1Z

β = γ2 + θ2Z 

これを元の回帰式に組み込むと以下のようになる。

Y = (γ1 + θ1Z) + (γ2 + θ2Z)X

   = γ1 + θ1Z + γ2X +  θ2Z×X 

この式の右辺第4項がいわゆる「交差項」と呼ばれるものである。この交差項の係数(θ2)はどのように解釈したら良いのだろうか。

β = γ2 + θ2Zから分かる通り、θ2は、Zの変化によってβがどの程度変動するかを示す係数であった。したがって、例えばβが正かつθ2の係数が正であれば、Zが大きくなるほどβが大きくなる(つまりXの変動に対してYがより大きく反応する)。反対に、θ2の係数が負であれば、Zの変化によってβが小さくなる(つまりXの変動に対してYの反応がより小さくなる)。

 

回帰式に交差項を組み込む際、Zにあたる変数にしばしばダミー変数を用いることがある。これについては、以下のページで説明しているので参考にされたい。

hongoh.hatenablog.com