<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

金商法のエンフォースメント

 

金商法のエンフォースメント(実効性の確保)について。ここでは、民事責任、刑事責任、行政責任、自主規制について取り上げる。本ページは日本証券経済研究所金融商品取引法研究会(2008)の文献に基づいている。

 

民事責任

民事責任規定を通じて、違法行為による損害を被った投資家が損害賠償を追求することを通じたエンフォースメントを図る。違法行為、不公正取引、不実開示等を抑止することが期待される。民事責任規定の例として、例えば第21条の2などがある。違反行為を発見することの困難さなどから、民事責任規定があまり使用されてこなかったとの指摘がある。

 

刑事責任

投資者保護、公正かつ透明な取引の確保といった観点から、開示・不公正取引等について刑事罰の規定がある。金商法の第8章に罰則の規定が存在する。

 

行政規制

違反行為に対する行政機関による処分(第51条、第52条など)や、課徴金命令(第6章の2に規定)などが該当する。

 

自主規制

例えば第87条では、取引所はその定款において、法令、法令に基づく行政処分もし
くは規則に違反し、または取引の信義則に違反する会員に対して、過怠金を
課し、取引停止、委託の停止・制限を命じ、または除名する旨を定めなけれ
ばならないと規定されている。

 

 

(出典):

近藤光男(2008)「民事責任規定・エンフォースメント」金融商品取引法研究会
研究記録第 26 号