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金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

「与信」という言葉について

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「与信」という言葉は金融業界で頻繁に使われ、「信用を供与すること」と説明される。しかし、「信用を与える」ことと言われても、具体的になイメージは湧きにくいのではないか。

 

やや乱暴であるかもしれないが、要するに与信とは「相手を信用すること」と捉えて良いと考える。そして重要なのは、相手を信頼した結果、何ができるのか、ということである。

 

「与信」「信用」という言葉は、金融の中の様々な文脈で登場する。

 

銀行

 銀行の場合は、企業や個人を信用した結果、お金を貸すのである。貸したお金をきちんと返済してくれる人・企業であると「信用」したからこそ、融資を実行できる。よって、「銀行の与信行動」とは貸出に他ならない。

 

そして、相手を「信用」した結果、貸し出したお金が帰ってこない可能性がある。これこそが「信用リスク」であり、信用が裏切られたということである。

 

証券会社

証券会社も、投資家を信用した結果、資金を貸し出して投資家にレバレッジ取引を行うことを認める。これは「信用取引」と呼ばれるが、まさに証券会社が投資家を信用しているからこそできることである。

 

社債

社債投資のことを「クレジット投資」という。債券は株とは違い、返済が義務付けられている。投資家は、企業が義務を守ってきちんと返済してくれることを「信用」して、利回りを求めて投資をするのである。ジャンク債と呼ばれる高利回りの債券が「クレジットリスクが高い」と呼ばれることがあるが、それはジャンク債を発行する企業が返済義務を履行しない、つまり「信用を裏切る可能性が高い」ためである。

 

企業間取引

金融業界以外でも、一般の企業間の取引においても「与信」という言葉は使われる。片方がもう片方に商品を渡すとき、その対価であるお金が即座に支払われるのであれば、「信用」が登場する幕はない。しかし、商品の額が大きかったり、資金繰りの都合上、商品の受け渡しよりも後に代金を支払わざるを得ない場合がある。代金の支払いを商品の受け取りよりも後にすることを商品を渡した側が認めるのは、相手を「信用している」からに他ならない。

 

クレジットカード

クレジットカードの「クレジット」、つまり「信用」も、同じ原理である。個人の返済能力を信用しているからこそ、商品の受け取りよりも後のタイミングで代金を支払うことが可能となる訳である。

 

以上、様々な文脈で「与信」という言葉は登場するが、誰が何を信用しているのか信用した結果何を提供するのか、を意識すれば、その意味するところを理解できるはずである。