<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

ユーロ債、サムライ債、ショーグン債…外国債券の分類について

f:id:hongoh:20210316222216j:plain

サムライ債ショーグン債、ユーロ円債、パンダ債…などなど、債券には様々な愛称がついているが、それぞれの違いは何なのかについてまとめたい。

 

債券の性質を決める3要素

債券は、①表示通貨②発行された場所③発行体の属性、の3つの要素が重要である。様々な種類がある〇〇債は、この3要素の組み合わせによって決定される。

 

 

表示通貨国以外の場所で発行される債券

表示通貨国以外の場所で発行される債券を、一般に「ユーロ債」という。簡単に言えば、①と②の場所が違う債券、ということになろう。例えば円建てで、米国で流通していたらそれはユーロ債である。歴史的に欧州で発展した経緯からユーロ債という名前がついているが、欧州と全く関係がなくても上記の定義を満たしていればユーロ債という。ユーロ債には例えば以下のような種類がある。

 

ユーロ円債

円建てで、日本以外の市場で発行される債券を、ユーロ円債という。同じように通貨がドルであればユーロドル債、元であればユーロ元債という。

 

ショーグン債

外国通貨建てで、日本で流通しているユーロ債をショーグン債という。ショーグン債は、海外の発行体により発行される。

 

表示通貨国内で発行される債券

表示通貨国内で発行されるもののうち、発行体も表示通貨国に居住する者であるとしたら、それは単なる国内債券である。表示通貨国内で発行されるが、海外の発行体による債券(③と①・②が異なる債券)は、外国債券に該当し、例えば以下のような愛称がついている。

 

サムライ債

日本以外の海外の発行体による、円建ての、日本で流通するの債券である。

 

ヤンキー債

米国以外の海外の発行体による、ドル建ての、米国で流通するの債券である。

 

パンダ債

中国以外の海外の発行体による、人民元の、中国で流通する債券である。

 

f:id:hongoh:20210520220625p:plain

主な外債の種類

 

他にも様々な種類があるが、①表示通貨②発行場所③発行体、の3つの関係を見れば、混同することなく分類ができるだろう。