<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

利付債の単利最終利回りの計算について

f:id:hongoh:20221018111322p:image

本ページでは、利付債の単利最終利回りの計算方法についてまとめたい。本ページでは複利を考慮していない点に注意されたい。

 

利回りの基本的な考え方

まず、購入価格と額面価格の違いについて把握する必要がある。額面価格は、償還時に戻ってくる額のことであり、購入価格はその債券を購入するときの価格である。もし購入価格が額面価格よりも低ければ、その割引分だけ得をすることになるので、リターン(利回り)に含まれることとなる。逆に購入価格の方が額面価格より高ければ、その分リターンが少なくなってしまう。

 

また、利付債の場合、定期的に支払われる利息(クーポン)が存在する。このクーポンと利回りが混同されることが多いが、はっきり区別する必要がある。利回りとは、要するに投資額(購入額)に対して年率換算でどれだけトータルで儲かったか、を示したものである。

 

通常、投資リターンを表現する際には購入金額をベースにした利回りが用いられる。例えば、100万円で株式を購入して株価が110万円になった場合、10%のリターンが出た、といえるが、これは何を意味しているかというと、購入金額である100万円の10%にあたる10万円が儲かった、ということである。よって、購入金額をベースにする(利回り計算の分母に置く)必要がある。

 

計算式

利回りは、①クーポン②償還差益(額面と購入価格の差)の2つから構成される。そして、購入価格に対してどれだけのリターンが得られるか、なので、分母には購入価格をおく。

 

そして、利回りは年率換算で表現する。クーポンは基本的に年率ベースで表されている。一方償還差益については、それを保有期間割ることで、一年あたりの償還差益を算出する必要がある。

 

クーポンをC、額面価格をF、購入価格をP、保有期間(満期までの残存期間)をTとすると、以上の議論より、単利の最終利回りは以下のように表すことができる。

 

r =C/P + (F -P)/T/P

 

第1項が①クーポン、第2項が②償還差益を表している。どちらについても、分母は購入価格となっている。②については分数が二重になっていてやや見にくいが、要するに分子の償還差益を年数で割って一年あたりの償還差益を出してから、それを購入価格で割っているということである。

 

(参考):

単利最終利回り | みずほ証券 ファイナンス用語集