本ページでは、利付債のデュレーションについてまとめたい。
デュレーションは、金利が変化した時の債券価格の感応度を表している。
Δrは金利変化、ΔP/Pは債券価格の変化率、Dはデュレーションである。上記式でマイナスが付いているのは、債券価格と金利には負の関係があるためである。
ところで、債券価格と金利の関係は以下のように表すことができる。
ここで、Cは毎年受け取ることのできるクーポン、Bは満期に償還される額面金額である。この式をrで微分すると、
となる。そうすると、デュレーションは、
と表すことができる。上記の式で、1/P以降の部分に着目してみると、この部分は「債券の平均回収期間」を指していると言える。これはなぜか?
例えば、1年目に1億円、2年目に1億円、3年目に3億円のキャッシュフローがある債券投資を考える。この債券投資について、「平均的にどれくらいの期間で回収されるか」を考えてみる。単純に(1+2+3)/3=2年とするのも一つの考え方かもしれないが、この債券投資のキャッシュフローの半分以上は3年目に発生している。つまり、平均回収期間は2年よりももっと後になると考えるのが自然ではないか?そこで、各年限についてキャッシュフローの加重平均をとるとすると、1×1/5+2×1/5+3×3/5=2.4 となる。
上記式の1/P以降の部分は、まさにこの計算を行っていると言える。各年限におけるキャッシュフローの現在価値の加重平均をとっている。この1/P[ ]の部分をマッコーレー・デュレーションという。
債券価格の金利感応度が平均回収期間と密接な関係にあるのはこのような理由からである。そしてこのことから、年限の長い債券ほど、金利が価格に与えるマイナスの影響(金利リスク)が大きいことが分かる。
マッコーレー・デュレーションをDmacとすると、Dmac/(1+r)=Dとなる。平均回収期間を意味するマッコーレー・デュレーションを(1+r)で割ることで、微分で定義した厳密な金利感応度へ「修正」していると解釈することができる。この修正されたデュレーションを修正デュレーションという※。
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