本ページでは、連続複利で割り引いた現在価値の算出方法についてまとめたい。
単純なケース
まずはシンプルなケースとして、離散的な複利を考える。現在価値がSで、年率r%で運用される金融資産について、T年後の将来価値Fは
F=S*(1+r)^T
となる。よって現在価値は
S=F/(1+r)^T
と表せる。
半年ごとに付利されるケース
上記と同様の設定で、年率r%であるが、半年ごとに付利される場合(つまり年に2回の付利がある場合)を考える。このとき現在価値は
となる。年にn回支払われるとき、上式の2の部分をnで置き換えれば良い。
連続複利のケース
付利されるスパンを限りなく小さくしたとき(限りなく頻繁に付利されると仮定した時)、複利を「連続時間」で考えたことになる。連続時間で考えるとき、以下の「ネイピア数」が用いられる:
e=2.7182...である。このネイピア数の定義式を現在価値計算にあてはめることで、連続複利における現在価値を求めることができる。
上述までの設定で連続複利によって現在価値を表現すると、
と表すことができる。
要するに、n(年間の付利の回数)がとても大きいとき、近似的に
が成立する。
最後に、例えばクーポンを年率q%で支払うとき、上記の式においてe^(r-q)*Tと計算すればよい。
(参考):
Hull, C, John, “Options,Futures and Other Derivatives”, 10th edition, Pearson, 2018.
尾山大輔・安田洋祐(2013)「[改訂版]経済学で出る数学 高校数学からきちんと攻める」日本評論社