先物市場では、株式や現物(金、農産物など)といった様々な商品が取引されている。本ページでは、そのうち現物を取引する「商品先物」についてまとめたい。また、後半では現物受渡しの実際についても触れる。
日本における商品先物の取引所
日本で商品先物を取扱う取引所には、東京商品取引所と大阪堂島商品取引所がある。また、一部の商品については大阪取引所でも取引されている。
ラインナップとしては、金、銀、ゴム、ガソリン、灯油、とうもろこし、大豆、コメ、などがある。
商品先物の決済方法
商品先物の決済方法には、差金決済と受渡決済の2通りがある。
差金決済
通常、モノや株など現物の売買の際には、まず現物を「買って」、それから「売る」ことで、利益(あるいは損失)を確定できる。しかし、先物取引の場合、現物の受渡しを行わずに、売買により生じた価格差に相当する金額の授受のみでの取引が可能である。これを「差金決済」という。
例えば、Aさんが10日後金を100万円で購入する約束をBさんとしていたとする。10日後、金の価格が120万円になっていたので、Aさんはその金をすぐさまBさんに売却したとする。ここで、Aさんは20万円の利益を確定できた。ここで、現物である金のAさん、Bさん間の引き渡しは行われず、差額である20万円をBさんがAさんに支払うだけで、取引を終了させることができる。
金についての取引なのに、金の現物それ自体は取引には登場しない、こういった取引が可能なのである。
受渡決済
こちらは、取引の最終期限が来るまで反対売買を行わない場合、実際に現物の受け渡しが行われる。価格変動リスクのヘッジという、先物取引の本来の目的に基づいたものと言える。
受渡に当たっては、取引所が指定した倉庫において現物の受渡しが行われる。指定倉庫は、商品ごとに定められており、取引のHPで公表されている(以下のリンク参照)。
受渡にあたっては、倉庫会社が保管している証券を裏付けに倉荷証券が発行される。この倉荷証券をもって、倉庫にて現物の受け渡しが行われる。
出典:
日本商品先物振興協会Webページ
https://www.jcfia.gr.jp/about-cf/exchange/
東京商品取引所Webページ
https://www.tocom.or.jp/jp/guide/points.html
大阪堂島商品取引所Webページ