本ページでは、デュポン分析(公式)とは何かについてまとめたい。デュポン公式とは、一言で言えば、ROEを3つの要因に分解する公式である。
まず、ROE(Return on Equity)は自己資本利益率のことであり、自己資本に対してどれだけの利益を生み出したのかを示す指標である。
ROEは、以下の式で求められる。
そして、上記式の右辺を以下のように変形してみる。
ROE = (当期純利益/売上高) × (売上高/総資産) ×(総資産/自己資本)
最初の式に売上高/売上高と総資産/総資産を掛けたものということができる。両方とも値は1なので、右辺の値に変化は当然ない。
2番目の式において3つの分数が登場するが、それぞれ何を意味するのだろうか。
①当期純利益/売上高…売上高利益率
売上高に対してどれだけ利益を上げられているか。企業の収益性を表した指標である。
②売上高/総資産…総資産回転率
総資産がどれだけ売上に結びついているか、資産の運用の効率性を表した指標である。
③総資産/自己資本…財務レバレッジ
自己資本に比べて総資産がどれほどの規模かを示しており、自己資本を超過する分は負債で資金を調達していることになる。この値が大きいほど、レバレッジを効かせていることを意味する。
この3つの分数の値が高いほど、ROEは高くなる。企業のROEをこの3つの要因に分解してそれぞれの値の高低を分析することで、その企業のROEが高い(あるいは低い)理由を考えることができる。