<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

需要と供給の均衡についての考え方

需要と供給の均衡は、大学の経済学で一番最初に習う事項だろう。右下がりの需要曲線と右上がりの供給曲線の均衡点で価格が決定される。

 

初歩的な経済学のテキストでは、需要曲線、供給曲線ともに直線(一次関数)であり、連立一次方程式を解くことで容易に均衡点を算出することができるようになっている。

 

ここで忘れがちなのは、需要についての式、供給についての式の2本の式だけで均衡が決定されるわけではないということだ。

 

連立方程式は、未知の変数の数と、方程式の数が一致している場合にのみ解くことができる。方程式の数以上に変数の数があると、解を導くことはできない。

 

ある財についての需要供給の均衡を考えるとき、ここでの変数はいくつになるだろうか。需要量Qd、供給量Qs、価格Pの3つである。

 

つまり、需要・供給それぞれの式(合計2本)に対して、変数が3つ存在する状態となる。このままでは解を導出することができない。

 

ここで、もう一つの式を導入する必要が出てくる。それは、「均衡条件」である。

需要と供給の均衡点を求めようとしており、均衡点では需要量と供給量が等しくなる。つまり、

Qd=Qsが成立するということである。

この3番目の式により、3本の方程式、3つの変数ということになり、無事に解を求めることが可能となる。

 

こういったことを考えずに、ただ単にQとPの連立方程式を解く、ということでも初歩の段階では解けてしまうが、この「均衡条件」の考え方はより複雑な状況においてより重要なものとなる。