<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

海外ドラマに見るマネーロンダリング

f:id:hongoh:20210721013305j:image

資金洗浄」を意味するマネーロンダリング。麻薬取引などの非合法の手段で手に入れた「汚れたお金」を、合法的な(ように見える)「綺麗なお金」に変えることをマネーロンダリング(略してマネロン)と言うが、具体的にはどのような出口でマネロンが行われているのかは中々イメージしにくい。

 

しかし、アメリカの有名な海外ドラマである「ブレイキングバッド」に、マネロンが行われるシーンがあり、マネロンの手口の一例を見ることができる。本ページでは、「ブレイキングバッド」を例に、マネロンが実際にどのような形で行われているのかについて見ていきたい。

 

ブレイキングバッドについて

ドラマの紹介をごく簡単にすると、がんを申告された高校教師が、治療費の支払いや家族へ遺産を残すために麻薬製造に手を染め、裏社会へと足を踏み入れてしまうというもの。麻薬製造で得た莫大な資金は、どうにかして「綺麗なお金」にしなければ、すぐに警察に目をつけられてしまう。そこで物語中には、登場人物がマネロンに奮闘するシーンが描かれる。

 

店を買収し、そこで収益を上げたことにする

マネロンの一つの手口は、ある店を買収し、そこで得た収益と裏取引によって得たお金を混ぜ、全てのお金がその店の収益であるように見せるという手法である。ドラマでは、洗車店を買収し、毎月の利益に少しずつ「汚れたお金」を足し合わせて計上することで、最終的には麻薬により得た全てのお金が、洗車店の収益であるように会計処理を行った。

 

カジノで儲けたことにする

こちらはよりシンプルかつ分かりやすいマネロンの手法だが、カジノで大儲けしたことにすれば、合法的なお金として認識される。中には、ディーラーと裏で繋がっている場合もあるようだ。ドラマでも、主人公が親戚に対してなぜ一度にまとまったお金が入ったのかを説明するときに、「カジノで儲けた」と嘘をつくシーンが描かれている(当然、本当は麻薬によって得たお金である)。

 

 

もちろん、ここで紹介した以外にもマネロンには様々な手口が存在し、かつ近年は仮想通貨等も利用した複雑な手口が横行しているという。適切なマネロン対策を実行するにあたっても、まずは「敵を知ること」、つまりどのような手口があるのかを知ることが重要だ。ここで紹介したマネロンの例は古典的で、単純すぎるかもしれないが、具体的なイメージを持つには良い例であると思われる。