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個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

マネーロンダリングの手口について分かりやすく

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本ページでは、マネーロンダリングの基本的な手口についてまとめたい。近年、その手法は複雑化の一途を辿っているが、まずは基本的な手口について考えてみる。

 

マネロンの基本的考え方

マネーロンダリングとは日本語に訳せば「資金洗浄」である。麻薬取引などの非合法の手段で手に入れた「汚れたお金」を、合法的な(ように見える)「綺麗なお金」に変えることを意味する。

 

例えば麻薬取引などで大金を手にしたとき、それが麻薬取引によって手にしたお金だと気付かれないようにする必要がある。これこそがマネーロンダリングの本質であり、「綺麗なお金」に変えるということの意味である。

 

どのようにして、汚れたお金を綺麗に見せることができるのか。具体的には、以下のような方法によって行われる。

 

①金融システムの中に組み込む

汚れたお金をそのまま何かに使っててしまうと、「このお金はどこから来たんだ」と怪しまれてしまう。そのため、まずは汚れたお金を預金等の金融システムの中に組み込む必要がある。ひとつの方法は、ある店を買収し、そこで得た収益と裏取引によって得たお金を混ぜ、全てのお金がその店の収益であるように見せるという手法である。例えば洗車店を買収し、毎月の利益に少しずつ「汚れたお金」を足し合わせて計上することで、最終的には麻薬により得た全てのお金が、洗車店の収益であるように会計処理を行う、などである。


カジノで大儲けしたことにすることもある。中には、ディーラーと裏で繋がっている場合もあるようだ。

 

②資金の出所を分かりづらくする

合法的な手段に偽って汚れたお金を預金等に入れるのに加え、そもそもこの資金がどこから来たのか分かりづらくするために、海外の銀行口座等に送金を繰り返し、資金の出所を特定しづらくする。金融機関のマネロン対策において、「本人確認」が重視されるのはこのためで、金融機関がマネロンの温床となることを防ぐ目的がある。

 

あるいは、金券や金融商品、あるいは車などの現物といった換金性の高い商品を汚れたお金で一旦購入し、すぐに売却するなどを繰り返すこともある。

 

③資金の回収

上記のようにして資金の出所を分かりづらくするした後、最後にその資金を回収する。その際にも、現金で引き上げるのではなく、不動産の購入や投資など、資産という形で保有することが多い。

 

もちろん、ここで紹介した以外にもマネロンには様々な手口が存在し、かつ近年は仮想通貨等も利用した複雑な手口が横行しているという。適切なマネロン対策を実行するにあたっても、まずは「敵を知ること」、つまりどのような手口があるのかを知ることが重要だろう。

 

 

参考:

life hacker(2018)『How Does Money Laundering Work?