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個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

利益供与とは何か

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本ページでは、利益供与とは何かについてまとめたい。

 

利益供与とは

一言でいえば、会社が株主の権利行使に関して、特定の株主などに対して財産上の利益を与えることを意味する。つまり、会社が利益を供与するのと引き換えに、ある株主が会社の株主総会の進行に協力したり、あるいはその妨害を止めるといったことである。

 

会社法120条において企業による利益供与は禁止されている。これは、企業の株主総会を妨害する「総会屋」の存在を念頭に置いたものとなっている。

 

「総会屋」の存在

 総会屋とは、ある企業の株式を一定数保有し、株主総会での議事妨害などを企業に脅し、それを止める代わりに企業から金銭的な利益を要求する、といった者のことを言う。金銭的な利益と引き換えに、議事の安定的な進行を手助けすることもある。いずれにしても、株主の権利を悪用し、企業を脅迫するものであるため、厳しく取り締まられている。

 

かつての日本には総会屋が多く存在していたが、現在ではその数は減少している。

 

金融機関における利益供与

 金融機関における利益供与の例として、90年代後半に自主廃業に追い込まれた山一証券が有名である。シンガポールにおける先物利益の利益を、総会屋に供与していたとされる。

 

(参考):

特定株主への利益供与とはどのようなケースが該当するのでしょうか。 | ビジネスQ&A | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

服部泰彦(2002)『山一証券の経営破綻とコーポレート・ガバナンス』、立命館経営学第 40 巻 第6 号