本ページでは、証券会社のビジネスモデルについてまとめたい。
証券会社のビジネスモデルは、教科書には以下の4つに大別される。
①有価証券の発行の引き受け・売り出し(アンダーライティング業務)
企業や国などが新たに発行する有価証券を証券会社が買い取り、これらの販売を行う業務。もし売れ残った場合、証券会社が責任を持って引き取る必要がある。
②有価証券の募集・売り出し(セリング業務)
新たに発行する有価証券あるいは既に発行された有価証券を預かり、投資家に販売する業務。アンダーライティング業務に似ているが、こちらは売れ残った場合でも証券会社が引き取る必要はない。
③仲介業務(ブローカー業務)
投資家からの注文を受け付け、有価証券の売買を仲介する業務。顧客資金で取引を行い、仲介手数料により収益をあげる。
④自己勘定取引(ディーリング業務)
自己資金を用いて市場取引を行い、収益をあげる。リーマンショックを受けて制定された米国のボルカールールをはじめ、自己勘定取引は厳しく制限される方向にある。
証券市場はプライマリーマーケット(発行市場)、セカンダリーマーケット(流通市場)に大別される。大きく分けて、①・②は前者、③・④は後者に関連する。これらの業務を通じて、証券市場における円滑な資金供給に貢献している。
その他、M&Aのアドバイザリーを行う業務(いわゆる投資銀行業務の一つ)も、主要な収益源になっている証券会社も存在する。
(出典):
齋藤祐(2016)「第4版金融業界大研究」産学社