本ページでは、企業価値評価(バリュエーション)の際に登場するターミナルバリューという概念についてまとめたい。
ターミナルバリューの概要
企業が行う事業の価値を測定する際の基本的な考え方は、「事業から発生する将来のキャッシュフローの総和の現在価値」をその事業の価値とする、というものである。
つまり、単純化すれば、「将来のキャッシュフロー/割引率」の総和を求めれば事業価値が求められることになる。
実際の事業価値の算出に際しては、将来の売上やコスト等を予測することによって将来キャッシュフローを推定することになるが、未来永劫にわたって将来キャッシュフローを正確に推定することは難しい。そこで、ある一定の期間以降はキャッシュフローの成長率が一定になると仮定して、その期間以降のキャッシュフローの総和の現在価値を求める。この価値を「ターミナルバリュー」という。
例えば5期以降は個別にキャッシュフローを予測できないとすると、事業価値は「1期~4期のキャッシュフローの現在価値+4期末におけるターミナルバリュー」で計算される。
ターミナルバリューの計算方法
4期までのキャッシュフローの予測が可能であるとして、ターミナルバリューの計算方法を考えてみたい。
ターミナルバリューは、以下の式で表すことができる。
ターミナルバリュー=5期のキャッシュフロー/(割引率−成長率)
上記で記した通り、キャッシュフローの成長率は5期以降一定であると仮定する。その成長率を割引率から差し引いた値で5期のキャッシュフローを割ることによってターミナルバリューは求められる。
分子のキャッシュフローについて、正確に言えばフリーキャッシュフローという概念を用いる。フリーキャッシュフローについては以下のページを参照。