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個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

信用評価調整(CVA)とは何か

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本ページでは、信用評価調整(CVA)とは何かについてまとめたい。信用評価調整(CVA)とは、一言でいえば、カウンターパーティの信用力の変化に伴い、デリバティブにおけるエクスポージャー時価評価を調整する枠組みのことである。

 

デリバティブ時価

そもそもデリバティブにおける時価とは、将来に発生するキャッシュフローを無リスク金利現在価値に割り引いたものである。


この将来キャッシュフローは額の変動のリスクに「さらされている」ため、「エクスポージャー」と呼ばれる。デリバティブにより利益が生じる(いわゆる勝ちポジション)とき、その利益こそが「エクスポージャー」である。

 

カウンターパーティリスクとは

次にカウンターパーティリスクとは、カウンターパーティ(取引先)との間のデリバティブ取引等によるキャッシュフローが正である場合、このカウンターパーティが破綻したときに、正の価値の金額を取り損なってしまうリスクである。

 

カウンターパーティリスクの概要については以下でもまとめているので、あわせて参照されたい。

hongoh.hatenablog.com


CVAの概要

前置きが長くなったが、以下CVA(Credit valuation adjustment)の概要について記述したい。


デリバティブ取引におけるエクスポージャー時価の算出にあたり、カウンターパーティ(取引相手)の信用力の変化による時価の変動を考慮した仕組みということができる。デリバティブ取引により勝ちポジションが生まれているにも関わらずカウンターパーティがデフォルトしてしまっては、利益を得ることができなくなる。このカウンターパーティの信用リスクをデリバティブ取引の時価評価に反映させなければ、正しく実態を反映したプライシングとは言えなくなる。CVAは、カウンターパーティの信用リスクを表現したものであり、これをデリバティブ取引により期待される正の価値から差し引く。

 

CVAは、①デフォルト時点における期待エクスポージャー額に、②期待損失率をかけあわせたものになる。

 

①について、期待エクスポージャーは、為替や金利、株価といったマーケットファクターに関しモンテカルロシミュレーションを行うことで算出することが一般的である。


②について、具体的には、「カウンターパーティの(リスク中立)デフォルト確率 ×デフォルト時損失率」で計算される。デフォルト確率の算出にあたっては、カウンターパーティのCDSのスプレッドを元にすることが一般的である(スプレッドが大きければ、デフォルト確率も大きくなる。CDSについての説明は文末のリンク参照)。

 

いわば、CVAとは、カウンターパーティに関する期待損失ということができる。カウンターパーティの信用力が悪化すればCVAが増加し、エクスポージャー時価が下落、損失の発生、という流れになる。

 

CVAのヘッジのために、カウンターパーティに関するCDSを購入することが有効である。

 

(参考):
金融庁日本銀行(2010)『バーゼル委市中協議文書 カウンターパーティ・リスクの取扱いの強化の概要』

hongoh.hatenablog.com