オプション取引におけるリスク中立確率について
本ページでは、オプション取引におけるリスク中立確率についてまとめたい。
まず、現時点の株価をS0とし、この株を原資産とする行使価格Kのコールオプションを考える。T年後、確率pで株価は上昇し、uS0となる。一方確率(1-p)で株価は減少し、dS0となる。T年後の安全資産によるリターンをRとする。
このオプションのペイオフを、原資産である株式と、安全資産の組み合わせ(ポートフォリオ)による運用によって複製することを考える。
株式の保有量をx、安全資産の保有量をyとすると、オプションのペイオフと等しくなるようなポートフォリオは、
となる。ここで、無裁定条件が働くとき、同じペイオフをもたらす2つの投資方法にかかるコストは等しくなる。そうすると、コールオプションのプレミアムfは、
となる。ここで、
とすると、p+q=1となり、かつpもqも0より大きく1より小さい値となるため、確率と解釈することができる。よって、コールオプションのプレミアムは、将来のペイオフの期待値をリスクフリーレート(安全資産の利子率)で割り引いたものと解釈することができる。
このp,qをリスク中立確率という。リスク中立確率を用いて将来の株式リターンの期待値を計算すると、リスクフリーレートと等しくなる。
デリバティブのプライシングは、デリバティブ商品と同じペイオフとなる複製ポートフォリオを構築し、その現在価値を求めることによって算出することができる。この前提として、上記のリスク中立確率を用いることが多い。
(参考):
Hull, C, John, “Options,Futures and Other Derivatives”, 10th edition, Pearson, 2018.