<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

正則化とは何か

本ページでは、機械学習における正則化とは何かについてまとめたい。正則化は、機械学習における過学習を防ぐための手法の一つである。 過学習とは 学習を行う際、過学習と呼ばれる問題に留意する必要がある。過学習とは、総務省の定義によれば、「教師デー…

ランダムフォレストとは何か

本ページでは、機械学習におけるランダムフォレストという手法の概要についてまとめたい。ランダムフォレストとは、アンサンブル学習の一つであり、多数の決定木を用いて分類や回帰等を行うアルゴリズムである。 決定木については以下のページで説明している…

ROICとは何か

本ページでは、ROIC(Return On Invested Capital)とは何かについてまとめたい。ROICとは、一言でいえば、投下した資本を使ってどれだけ効率的に利益を生み出しているかを示した指標である。 ROICは、以下の計算式によって求められる。 ROIC=EBIT×(1-実効税…

インタレスト・カバレッジ・レシオとは何か

本ページでは、インタレスト・カバレッジ・レシオ(interest coverage ratio, ICR)とは何かについてまとめたい。一言で言えば、事業利益(営業利益と受取利息、配当金)が金融費用(支払利息、割引料)の何倍かを示す指標であり、企業の金利負担能力を示している…

株式価値の算出モデルについて

本ページでは、株式価値を算出するにあたり用いられる理論モデルについてまとめたい。 配当割引モデル 株式から得られるリターンは、配当によるインカムゲインと、将来に株式を売却することにより得られるキャピタルゲインの2つに大別される。つまり、株式…

ターミナルバリューとは何か

本ページでは、企業価値評価(バリュエーション)の際に登場するターミナルバリューという概念についてまとめたい。 ターミナルバリューの概要 企業が行う事業の価値を測定する際の基本的な考え方は、「事業から発生する将来のキャッシュフローの総和の現在価…

バリュエーションにおけるフリーキャッシュフローの定義について

本ページでは、企業価値算定(バリュエーション)におけるフリーキャッシュフローの定義についてまとめたい。 榊原(2013)では、企業価値は、「当該企業に対する資本提供者(中略)にとっての価値」と定義されており、「将来キャッシュフローの現在割引価値とし…

マルチプル法とは何か

本ページでは、企業価値(株式価値)評価におけるマルチプル法とは何かについてまとめたい。マルチプル法とは、一言でいえば、ある企業の価値を類似する企業の指標を基に簡易的に算出することのできる手法である。 何の価値を測るのか 企業に関する価値の測定…

アンレバードベータとは何か

本ページでは、アンレバードベータ(β)とは何かについてまとめたい。 資本コストの算出 企業価値を評価するとき、資本コストを算出する必要がある。資本コストは、WACCという手法により算出することが一般的である。資本コストやWACCの式については以下のペー…

正味現在価値(NPV)と内部収益率(IRR)について

本ページでは、正味現在価値(Net Present Value, NPV)と内部収益率(Internal Rate of Return, IRR)についてまとめたい。 正味現在価値(NPV) NPVは、投資の採算性を示した指標であり、将来のキャッシュフローの現在価値の総和である。 NPVは以下の式で…

在庫回転期間、売掛金回転期間、買掛債務回転期間とは何か

本ページでは、在庫回転期間、売掛金回転期間、買掛債務回転期間とは何かについてまとめたい。 在庫回転期間 在庫回転期間とは、一言で言えば、商品が何日で入れ替わっているか(商品を仕入れてから何日で販売されているか)を示した指標である。 在庫回転期…

デュポン分析(公式)とは何か

本ページでは、デュポン分析(公式)とは何かについてまとめたい。デュポン公式とは、一言で言えば、ROEを3つの要因に分解する公式である。 まず、ROE(Return on Equity)は自己資本利益率のことであり、自己資本に対してどれだけの利益を生み出したのかを示…

コピュラの考え方とリスク管理への応用例について

本ページでは、コピュラの考え方とリスク管理への応用例についてまとめたい。 コピュラの理解のための下準備 まず、コピュラの理解には同時分布に関する知識が必要となるため、以下のページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com そのうえで、後に登場する…

保険における逆選択の問題について

本ページでは、保険における逆選択の問題についてまとめたい。 保険会社と加入者の間には情報の非対称性が存在する。とりわけ、加入者に隠された特性(情報)がある場合には、逆選択の問題が生じるとされる。では、逆選択とはどのような問題なのだろうか。 保…

1ファクターマートンモデルを用いた与信ポートフォリオのリスク計測について

本ページでは、1ファクターモデルを用いた与信ポートフォリオのリスク計測方法についてまとめたい。 複数のローンからなる与信ポートフォリオの損失分布を推計することを考える。通常、個々のローンのデフォルト確率には相関が認められるため、相関を考慮し…

伊藤の公式を用いて資産価格が対数正規分布に従うことを示す

本ページでは、伊藤の公式を用いて資産価格の水準が対数正規分布に従うことを示す。 ブラウン運動の定義 まず、伊藤の公式を用いる前に、ブラウン運動について定義する。 W=W(t)がブラウン運動であるとは、以下の2つを満たすことである。 (1)W_0=0であり…

ベイズ推定について

本ページでは、ベイズ推定とは何かについてまとめたい。ベイズ推定の基本的な発想は、「ある事象が発生する確率を主観的に定めて、それを客観的なデータを用いて更新していくことで、最終的により客観性の高い確率を求める」プロセスであるということができ…

回帰分析における交差項について

本ページでは、回帰分析における交差項の考え方についてまとめたい。 まず、以下のような回帰式を考える。(添え字のiを省略) Y = α + βX + ε 上式はXとYの関係を見たものであるが、XとYの関係は常に一定であるという前提を置いている。しかし、例えば何ら…

金融システムの安定について

本ページでは、英語で「financial stability」と呼ばれる概念について考えてみたい。日本語では「金融安定化」と訳される場合もあるが、「金融システムの安定」と表現されることが多い。 Financial stabilityとは Financial stability とはどのような概念か…

オプション取引におけるリスク中立確率について

本ページでは、オプション取引におけるリスク中立確率についてまとめたい。 まず、現時点の株価をS0とし、この株を原資産とする行使価格Kのコールオプションを考える。T年後、確率pで株価は上昇し、uS0となる。一方確率(1-p)で株価は減少し、dS0となる。T年…

OAS(オプション調整後スプレッド)について

本ページでは、OAS(Option-Adjusted Spread、オプション調整後スプレッド)についてまとめたい。 OASは、繰上げ償還が行われる可能性のある債券(コーラブル債)において考慮する必要がある。債券の発行体が満期より前倒して投資家に償還を行う可能性があると…

EUの金融規制についてごく簡単に整理

本ページでは、EUの金融規制について概要をまとめたい。 EUの法律体系 EUの法律は、EUの基本条約である一次法、基本条約を根拠に制定される法令である二次法、EU司法裁判所の判例である三次法に分かれている。 二次法については、さらに以下のような分類があ…

米国SECの根拠法令と行政規則について

SEC(Securities Exchange Commission),は、投資家の保護、市場の公正・秩序・効率性の維持、資本形成の促進を使命としており、関連法令違反に対する処分や、 SEC に登録を行っている機関の検査・監督等を行う。 SECは、主に以下の法律に基づいて規制や検査…

カバードコール、プロテクティブプットとは何か

本ページでは、カバードコールとプロテクティブプットとは何かについてまとめたい。 オプションの基本的な考え方については以下のページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com カバードコール カバードコールとは、原資産の買いポジション(ロング)と、その…

オイラー方程式について

本ページでは、マクロ経済学で登場する消費に関するオイラー方程式についてまとめたい。家計の消費行動を考える際、異時点間の消費の決定に関する理論となる。 オイラー方程式 以下、2期間(1期、2期)のモデルを考える。 家計は消費(C)によって効用を…

銀行におけるALMの考え方についてメモ

銀行におけるALM(Asset Liability Management)について。 銀行のバランスシートを見ると、一般に短期間での調達(負債)によって長期の運用(資産)を行っているという構造になっており、期間のミスマッチが存在している。 このミスマッチによって、金利リ…

新株予約権とは何か

本ページでは、新株予約権とは何かについてまとめたい。 新株予約権は、発行会社に対して行使することにより、一定の価格を支払うことでその会社の株式の交付を受けられる権利であり、発行会社にとっては資金調達の手段の1つであるほか、敵対的買収の防衛策…

決定木とは何か

本ページでは、機械学習における決定木と呼ばれる分析手法についてまとめたい。決定木は、データを分類する手法の一つで、樹形図の形で視覚的に分類結果を出力することができる。 以下、カイ二乗値を用いて分類を行うCHAIDと呼ばれる手法に基づいて、数値例…

主成分分析とは何か

本ページでは、主成分分析とは何かについてまとめたい。 まず、具体例として、国語、算数、理科、社会の4科目による学力テストを考える。 それぞれと科目の点数による評価の他に、この4科目を基に「総合的な学力」による評価ができないか考えてみる。具体的…

クラスター分析とは何か

本ページでは、クラスター分析とは何かについてまとめたい。 クラスター分析とは、総務省の定義によれば、「様々な性質をもつデータが大量に集まった中から、特徴が似ているデータを集めていくつかのグループに分類し、データの特性や共通項を把握したり、大…