<金融アトラス/a>

金融アトラス

個人の勉強も兼ねて、少しずつまとめます。

行列の固有値と固有ベクトル、対角化について

本ページでは、行列の固有値と固有ベクトル、対角化についてまとめたい。 固有値と固有ベクトル vをベクトル、Aを行列、λをスカラーとすると、正方行列Aについて、 Av=λv となるようなvが存在する時、vをAの固有ベクトル、λをAの固有値という。 このとき、A…

アメリカ連邦法の調べ方と各種リンクを紹介

本ページでは、アメリカ連邦法の調べ方についてまとめたい。なお、以下の記述は国立国会図書館の運営するウェブページ「リサーチ・ナビ」の記述に基づいている(末尾のリンクを参照)。 まず、連邦議会で法律案が可決され、議会制定法が制定される(法律案で…

資本コストとは何か

本ページでは、資本コストとは何かについてまとめたい。 資本コストの考え方 企業が外部から資金調達するとき、その方法として、借入や債券といった負債と、株式が考えられる。このとき、負債にせよ株式にせよ、資金を企業に拠出する主体(銀行や投資家)が存…

ランダム化比較実験(RCT)とは何か

本ページでは、ランダム化比較実験(RCT: Randomized Controlled Trial)の考え方についてまとめたい。 因果関係をどう捉えるか ランダム化比較実験の基本的な目的は、因果関係を特定することにある。例えば灌漑施設の建設が経済発展にどのような効果をもたら…

損益計算書における5つの利益について

本ページでは、損益計算書における5つの利益についてまとめたい。 損益計算書 損益計算書は以下のように並んでいる。 売上高 -売上原価 ①売上総利益 -販売費及び一般管理費 ②営業利益 -営業外収益 -営業外費用 ③経常利益 -特別利益 -特別損失 ④税引前当期純…

見越と繰延の違いについて

本ページでは、簿記における見越と繰延の考え方についてまとめたい。以下の処理は期末の決算整理仕訳にて行う。 見越 当期に発生した費用・収益であるが、実際の支払い・入金は伴っていないものについては、(支払い・入金はまだ済んでいないけれども)当期の…

供給曲線が限界費用曲線と等しくなるのはなぜか

本ページでは、供給曲線がなぜ限界費用曲線と等しくなるのかについてまとめたい。 以下、完全競争市場で、価格が所与の場合を想定している。そして、x軸が生産量、y軸が価格の曲線を考える。 企業は財の供給により発生する利潤が最大化するよう、生産量を…

AD-AS曲線について

本ページでは、AD(総需要)‐AS(総供給)曲線の導出についてまとめたい。 AD‐AS曲線は、横軸の生産量と、縦軸の価格水準との関係を見たものである。そして、価格が硬直的な短期の経済を前提としている。 総需要曲線 まず、総需要曲線の導出から考える。総需…

先入先出法(FIFO)と後入先出法(LIFO)とは何か

本ページでは、先入先出法(FIFO)と後入先出法(LIFO)とは何かについてまとめたい。 商品を仕入れて販売することを考えた時、仕入れにはコストがかかる。財務諸表において費用と収益は対応させる必要があるため、ある年に販売された商品に対して、いくらのコス…

国際収支統計と資本流出・資本流入の考え方

本ページでは、国際収支(Balance of Payments)の統計について概要をまとめたい。 経常収支 経常収支(Current account)=貿易収支(Goods)+サービス収支(Service)+第一次所得収支(Primary income)+第二次所得収支(Secondary income) となる。それぞれの定義…

繰越欠損金と税効果会計について

本ページでは、繰越欠損金と税効果会計についてまとめたい。 繰越欠損金とは まず、法人税額は益金−損金で計算される課税所得に法人税率を乗じることで算出される。しかし、益金−損金がマイナスになった場合、この額のことを欠損金という。 一定の条件の下で…

モーメント法とは何か

本ページでは、回帰分析においてパラメータを推定する方法の1つであるモーメント法についてまとめたい。 まず、以下の回帰式を考える。 y=α+βx+ε ここで、回帰パラメータはαとβである。この回帰分析を行うにあたり、 誤差項の期待値がゼロ、説明変数と誤差…

収益認識・費用収益対応の原則に関するメモ

会計における収益認識・費用収益対応の原則に関して。 収益認識 2021年4月より新たな収益認識基準が適用。 ①顧客との契約を識別②契約における履行義務(収益認識の単位)を識別③取引価格の算定⇒ 値引き、リベート、返金等、取引の対価に変動性のある金額が含ま…

複式簿記における仕訳の考え方について

本ページでは、複式簿記における仕訳の考え方についてまとめたい。 複式簿記とは、取引を複数の勘定科目で記載する方法である。 例えば、「100万円の土地を現金で購入した」という取引を考えてみると、 ・100万円の現金の減少 ・100万円の土地の取…

海外赴任した場合の税金の取り扱いについて

本ページでは、海外赴任・移住をした場合の税金の取り扱いについてまとめたい。以下、会社員のケースを前提とした記述となっている。 所得税 所得税は、その年の所得(1月〜12月)に対して支払う税金である。会社員の場合、毎月給与から所得税分を差し引いて国…

会社の倒産について

会社が「倒産している」とはどのような状態を指すのか。東京商工リサーチの定義によると、倒産とは「企業が債務の支払不能に陥ったり、経済活動を続けることが困難になった状態」である。 倒産状態を整理する方法として、以下が挙げられる。 破産 破産法によ…

金利オプション(キャップ、フロア)について

本ページでは、金利オプションであるキャップ、フロアについてまとめたい。 キャップ 原資産となるある変動金利について、一定の金利水準(キャップ・レート)を超えたとき、キャップの買い手はその超過分を売り手から受け取ることができる。例えばキャップが5…

EBITDAとは何か

本ページでは、EBITDAとは何かについてまとめたい。 EBITDAとは、Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortizationの略で、金利、税、有形固定資産の減価償却、無形資産の償却を引く前の利益である。 営業利益に償却費を加えたものと言うこ…

共和分について

本ページでは、共和分についてまとめたい。 本ページで登場する定常性や単位根といった時系列データ分析における基本的な考え方については以下のページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com 共和分 単位根過程に従う2つの系列、x、y(期を表す添字のtをこ…

ベクトル自己回帰(VAR)モデルとは何か

本ページでは、ベクトル自己回帰(VAR)モデルとは何かについてまとめたい。 時系列データ分析における基本的な考え方である定常性や自己相関、ARモデル等については、以下の2つのページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com hongoh.hatenablog.com VARモ…

保険の役割について

本ページでは「保険」という機能がどのような役割を担っているかについて考えてみたい。 リスク回避的な個人 まず、リスク回避的な個人の行動について考える。 例えば農家を例にとってみると、天候や災害等により農家の所得は変動する。 災害が起きない時の…

操作変数法とは何か

本ページでは、操作変数法とは何かについてまとめたい。 回帰分析を行うことによってY(被説明変数)とX(説明変数)の因果関係を明らかにしたいとする。言い換えるとX→Yの因果があるかどうかを検証したいという状況を考える。 回帰分析を行ってXの相関係数…

ラムゼイモデルについてメモ

ラムゼイモデルについて。 数式を全く記述していないので、正確な情報は参考書等の文献を参照。 ソローモデルでは貯蓄率が外生変数であり、家計の最適化行動を反映していなかった。ラムゼイモデルは、この欠点を克服し、家計の効用最大化問題と企業の利潤最…

生産要素間の代替の弾力性について

生産要素間の代替の弾力性について。以下では、労働(L)と資本(K)の2つの生産要素を用いて生産活動を行う企業を考える。 技術的限界代替率 代替の弾力性の話に入る前に、技術的限界代替率について簡単におさらいしたい。技術的限界代替率とは、片方の生…

コベナンツとは何か

本ページでは、コベナンツとは何かについてまとめたい。 コベナンツとは、社債発行や融資による借り入れを行う際、契約書に盛り込まれる債務者が負う義務や制限に関する条項のことである。 コベナンツが設定される場合 典型的には以下のようなケースでコベナ…

カバードボンドとは何か

本ページでは、カバードボンドとは何かについてまとめたい。カバードボンドとは、一言でいえば、債権担保付社債(債権(ローン)が担保となっている社債)の一種である。ヨーロッパで広く普及しており、典型的には銀行などの金融機関が発行する。 カバードボ…

リコースローンとノンリコースローンについて

ローンを契約するとき、保有している土地を担保にとることがある。もしローンの支払いが困難になれば、担保となっている土地を売却し、それを元手にローンを返済することになる。しかし、借り入れた額が担保資産の売却額よりも大きければ、依然として債務者…

ソローモデルについて

ソローモデルについて。本ページでは数式を載せていないので、厳密な数式展開については各種テキストを参照されたい。 ソローモデルは経済成長を分析するツールとして用いられる。そのための準備として、資本ストックの変化と、労働・資本を生産要素とする生…

差の差の分析について

本ページでは、差の差(Difference-in-Difference)の分析についてまとめたい。差の差の分析は、ある政策による時間を通じた効果を測定したい場合に有用な分析手法となる。 パネルデータ パネルデータとは、個人や地域、企業のデータを複数時点で観測したも…

企業の費用曲線について

企業の費用曲線と、企業の生産行動についてまとめたい。 まず、大きく分けて費用には以下の4種類がある。 総費用C(Q) 可変費用VC(Q) 埋没固定費用SFC 非埋没固定費用NSFC 埋没費用(サンクコスト)とは、絶対に支払う必要のある、回収不可能な費用のことで…