2021-01-01から1年間の記事一覧
本ページでは、Too-big-to-fail(大きすぎて潰せない)とはどのような概念を意味するのかについてまとめたい。以下、Too-big-to-failをTBTFと略して話を進める。 TBTFとは ある金融機関について、提供するサービスの規模が大きく、金融システム上重要な役割…
本ページでは、バーゼル規制における安定調達比率とは何かについてまとめたい。 流動性リスクの顕在化により、銀行の健全性が損なわれると、金融システム全体、ひいては実体経済にまで影響を及ぼしかねない。そこで、バーゼルⅢでは、流動性確保のために、流…
本ページでは、バーゼル規制における流動性カバレッジ比率とは何かについてまとめたい。 流動性リスクの顕在化により、銀行の健全性が損なわれると、金融システム全体、ひいては実体経済にまで影響を及ぼしかねない。そこで、バーゼルⅢでは、流動性確保のた…
本ページでは、銀行の流動性リスクについてまとめたい。 ある資産の流動性があるとは、市場で十分な取引量がある等の理由により、「資産を市場から調達しやすい」あるいは「資産を売却して換金しやすい」といったことを意味する。 銀行における流動性リスク …
本ページでは、組合型ファンドにはどのような種類があるかについてまとめたい。 そもそも、ファンドにはどのような種類があるかについては、以下のページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com 組合型ファンドの一般的な特徴としては、組合という法人格を…
本ページでは、ファンドへの課税における「パススルー」と「ペイスルー」の概念の違いについてまとめたい。どちらも、法人税と所得税の「二重課税」を防ぐしくみであり、「導管性」を持つという言い方をされる。 二重課税について 器(ビークル)であるファ…
本ページでは、PEファンドを組成する際に用いられるビークルの種類についてまとめたい。 ファンドは「器(ビークル)」である。どの器を用いるかによって、運営のし易さや、課税方法などが変わってくる。 ファンドにはどのようなビークルの種類があるかにつ…
「ESG投資」には様々な手法があるが、そのうちの一つに「ダイベストメント」というものがある。ダイベストメントとは、ESGの概念に反するような企業(例えば化石燃料や、兵器を扱う企業など)の投資を止め、資金を引き上げることである。 投資家が「ESGに積極…
本ページでは、CATボンドとは何かについてまとめたい。 CATは大災害を意味するカタストロフィー(Catastrophe)の略語で、CATボンドとは、一言でいえば、通常よりも高い利率で投資家から資金を集め、一定の条件を満たす災害が発生したときに、投資家の償還元…
本ページでは、投資信託におけるオープン・アーキテクチャーとは何か、そして日本の現状についてまとめたい。オープン・アーキテクチャーとは、一言でいえば、投資信託を販売する販売会社が、系列の運用会社の投信のみならず、幅広い運用会社の投信を販売す…
本ページでは、改正貸金業法の概要についてまとめたい。 貸金業法改正の背景 改正貸金業法は、2006年に成立した。当時の日本においては、「多重債務問題」が社会問題化していた。 2003年、全国の個人の自己破産申立件数は24万件を超え、これは1990年の1万127…
貸金業法は、金銭の貸付を営む業者に対する規制を定める法律である。貸金業法に定める「貸金業者」は、主に消費者金融やクレジットカード会社等を想定したものとなっている。 ここで、「お金を誰かに貸し付ける業者」として本来最も代表的なものは、銀行であ…
銀行や証券会社の他にも、金融サービスを提供する様々な業者がある。「クレジットカード」もその一つであり、日常生活において非常に身近なものとなっている。このクレジットカード業務を営む会社は、いかなる規制を受けるのか。本ページでは、クレジットカ…
本ページでは、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)に課されるTLACについて、TLAC適格負債の要件、そしてTLAC所要水準についてまとめたい。 TLACとはそもそも何か、については、以下のページを参照されたい。 hongoh.hatenablog.com TLAC適格負債の…
本ページでは、TLAC(Total Loss Absorbing Capacity)、TLAC適格債についてまとめたい。TLACとは、一言でいえば、巨大銀行に対して、破綻時に備えた損失吸収力を確保させる取組みである。「大き過ぎて潰せない(TBTF)」問題に対処し、納税者の負担を回避しつ…
サムライ債、ショーグン債、ユーロ円債、パンダ債…などなど、債券には様々な愛称がついているが、それぞれの違いは何なのかについてまとめたい。 債券の性質を決める3要素 債券は、①表示通貨②発行された場所③発行体の属性、の3つの要素が重要である。様々…
オルタナティブ投資に注目が集まっている。海外では大学基金や年金基金を中心に、積極的にオルタナティブ資産(VC、PE、不動産、ヘッジファンドなど)へ投資を行っている。日本の機関投資家はオルタナティブ投資に消極的であったが、GPIFがオルタナティブ資…
本ページでは、ライフセトルメントとは何かについてまとめたい。ライフセトルメントとは、個人の生命保険契約を第三者に売買する取引のことである。主に米国で発展しており、保険契約が市場で流通している(セカンダリーマーケット)。 ライフセトルメントの…
本ページでは、バーゼル規制において指摘されていたプロシクリカリティについて、バーゼルⅢで新たに講じられた対応策についてまとめたい。プロシクリカリティの概要については、以下のページにまとめている。 hongoh.hatenablog.com 1.資本保全バッファー …
本ページでは、プロシクリカリティとは何かについてまとめたい。プロシクリカリティとは、一言でいえば「景気循環増幅効果」のことを指す。景気循環を増幅・助長するような効果ということだ。かねてより、金融システムの安定のために銀行に一定の自己資本を…
「この市場は上がる!」と考えた時、個別株を選別して投資するのではなく、マーケット全体に投資する、という選択肢があり得る。市場に流通する商品すべてに投資をすれば、マーケット全体に投資したことになるわけだが、それはなかなか困難である。 一つの方…
ソーシャルレンディング業界における行政処分の事例が相次いでいる。2021年5月には融資先の実態を正しく把握していなかったとして、「SBIソーシャルレンディング」に対し金融庁が業務停止命令を出すこととなった。 金融庁は、ソーシャルレンディングに関し投…
本ページは、オプション取引の基本的な考え方についての2回目である。 一回目では、オプションとはそもそも何なのか、といった点からまとめている。基本的な用語の定義なども載せているので、そちらも合わせて参考にされたい。 hongoh.hatenablog.com 今回は…
本ページでは、オプション取引の基本的な考え方についてまとめたい。 オプションの概要 一言でいえば、ある商品を、決められた期日(または期間内)に、決められた価格で、売買できる権利ということができる。デリバティブの一種である。 先物取引も似たもの…
中国は、国外への資本移動を制限していることで知られる。本ページでは、海外の個人投資家・機関投資家が、どのように中国本土の証券(株や債券)にアクセスできるのかについてまとめたい。 上海市場・深セン市場のB株 中国本土の株式市場である上海市場と深…
先物市場では、株式や現物(金、農産物など)といった様々な商品が取引されている。本ページでは、そのうち現物を取引する「商品先物」についてまとめたい。また、後半では現物受渡しの実際についても触れる。 日本における商品先物の取引所 日本で商品先物…
本ページでは、CDOとCDSの違いについてまとめたい。両者は一文字違いで紛らわしいが、関連性はあるもののまったく別の概念である。 CDO CDO(Collateralized debt obligation :債務担保証券)は、主に企業の債務を裏付けにした証券化商品である。 証券化は、…
本ページでは、雇用統計等の経済統計に用いられる季節調整の考え方についてまとめたい。 経済や景気の動向を分析するために、雇用者数や消費額、売上高といった経済データは非常に有用である。例えば米国の雇用統計などは、その発表と共にマーケットの相場が…
2008年のリーマンショックの要因は、信用力の低い家計に対する住宅ローンであるサブプライムローンであると言われる。土地の価格が上がり続けると考えられたからこそ、信用力の低い人にも高額の貸付が行われた。つまるところ、土地バブルである。 リーマンシ…
本ページでは、シンセティックCDO(Synthetic Collateralized Debt Obligation、合成債務担保証券)とは何かについてまとめたい。シンセティックCDOとは、一言でいえば「CDSを原資産にした証券化商品」ということになる。 よって、以下では、証券化、CDSについ…